Ustreamを見てたんです。
島根県の県議や松江市、雲南市、奥出雲町の若手議員さんが出演して、いろんなテーマで議論します、という番組を。
そこで、ふと松江開府400年祭の効果ってどうでした?みたいな話の流れになって、思い出した。
あ、そう言えば観光動態調査結果の数字ってどうなんだろ??ということを。
どうやってデータを出しているのか
県の観光動態調査結果ですが、いくつかの手法を組み合わせて推計値を出しているはずです。
違っていたら指摘いただきたいんですが。
一応エクスキューズしておくと、島根県は日本観光協会の基準を用いて調査をしているようです。
では以下、ざっくり説明しておくと3つのパターンになるのかな。
- 施設でのカウント
- 観光地(Not施設)での実勢調査
- 実勢調査から年間来訪者を推計
1については、簡単。
たとえば島根県東部なら、県立美術館とか足立美術館とか有料で、お客様が何人入ったかというデータが毎日、毎月取れる施設。
西部だとアクアスとかサヒメルがあるし、隠岐だと自然館とか碧風館なんかだよね。
これはチケット販売数等でほぼ正確に抑えることができる。
2.観光地(Not施設)での実勢調査
次、2番目。
これは、年間に何日間か調査日を設けて、その日に一気に、実際に調査を実施するタイプ。
一応、県の観光振興課のHPから確認しましたが、おおむね春夏秋冬に一回ずつ設けられています。
http://www.pref.shimane.lg.jp/kanko/report_h21.data/H21_1.pdf
平成21年 2月 6日(金) 2月 8日(日)
平成21年 5月 1日(金) 5月 3日(日)
平成21年 7月17日(金) 7月19日(日)
平成21年11月20日(金) 11月22日(日)
これ、一見するとその調査日においては正確な数字が出ると思いがちですが、危険です。
実は、ひとりが何箇所か観光地を周遊すると、回った箇所数、「観光客」としてカウントされてしまいます。
たとえば、僕が調査日初日に松江城周辺をうろちょろし、その後由志園へ行き、玉造温泉に行くと初日だけで3人分カウントされることになります。
二日目、フォーゲルパーク行って、出雲大社行って、石見銀山行って、三瓶山でゆっくりして、玉峰山荘行ったら、4人分カウント。
三日目。隠岐のりょうばに行って、国賀海岸に行ったら2人分カウント。
実際に動いているのが僕ただ1人だとしても、です。
すごくないですか?
計9人カウントされるんですよ?間違ってたらゴメンだけど、たしかこの考え方で良かったはず。
3.実勢調査からの年間来訪者を推計
さらに問題だと思うのは3番目の工程。
1人しか動いていないのに9人とカウントされるこの数値ベースで、1年間の観光客数を推計してしまえってなもんです。
もうね、ブレが大きすぎるんじゃないかと。
他に方法がないのか、数値をできる限り大きく見せたいのかわかりませんが、一番の問題は事業にかかったコストに対してのベネフィットが実は評価できない、という点にあると感じます。
評価対象となるデータがデータとしてキビシイんですから。
それに、考え方、やり方としては、この調査スケジュールが事前にわかってれば、工程2の段階で、この調査日にイベントぶつけて短期間でもドンッ!と観光客を増やしておけば推計には相当有利に働きますよね。。。
いや、これもひとつの客観的なデータといえばそこは否定出来ないかなとは思います。
事前にルールを決めてその手順に基づいて調査・推計するわけですから。
ただ、なんとなく違うんじゃね?感が拭えない、というだけで。
隠岐諸島はその点有利
隠岐諸島は、アクセスが船(フェリー/高速船)か飛行機かしかなく、どちらもフリーライダーはできないので基本的にほぼ100%把握できるんですね。
隠岐汽船だと乗船目的にも印を付けるようになってて、「観光」という項目もあるので、データとしてはすぐに出せるはずですし、隠岐支庁もそのデータに基づいて作成された数値を使っているそうです。
全国各地が同じ推計方法を採用しているのかもしれませんが、印象としてはゲタはかせ過ぎじゃないのか、と思います。
それなりに正確なデータを出して、それをベースに計画しないと効果も図れない。
それが一番問題であろうと思います。