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2011-07-26

『イシューからはじめよ』 読了



イシューとは何か

本書はそのタイトルにもあるように、一貫して“イシュー”が核となるワードとして繰り返し登場します。

これは、要するに「本当に解決すべき問題」であると言い換えることができます。
そして、このイシューを、まず見極めることこそ、生産性を高くする第一歩であり、すべてである、ということです。


よいイシューの条件

この「本当に解決すべき」という表現が肝で、よいイシューの条件として次の3つをあげています。

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる
この中で、1についてはロジカル・シンキングなどでもよく指摘されることだと思います。

そして、2は、今書きながら考えていましたが、今年来年と取り組むことになるプロジェクトの研修会で、「仮説の重要性」が繰り返し指摘されたことを思い出したので、よく考える必要があります。

最後の3番目。意外に重要です。
現実的にアクションにつなげることができる回答を出せるか、ということは特にビジネス分野では重要でしょう。
逆に言えば、問題であることはわかりきっているが現状では手のつけようのない問題は、よいイシューとは言えないのです。
そして、そんなイシューにかかずらうことは何も生産しない時間を生み出す徒労に終わる、というわけです。


思考のパートナーにどうぞ

個人的には生産性を追求したり、効率のみを追い求める考え方には賛同しかねるけど、こういう指摘の重要性もまたよくわかります。

好きではないけど、一方で生産性を高めなきゃならんところが難しい。


この本は一回読んでおしまい、という類のものではなく、何度も何度も繰り返し読みなおすことになりそうです。
コンサルという仕事をしている限り、また企画から実施まで携わる限り、有用な本としてパートナーとしていつもそばに置いておきたい本です。






2011-07-12

夏がやって来た!! 隠岐フェアに行ってきた!


島根は梅雨明けしてから、いい天気が続いています。
昨日は夕方からスコールのような豪雨が降ってましたが^^;

おかげで毎日毎日暑いですね。

さて、夏がやって来た週末、タウンプラザしまねで開催されていた隠岐フェアに行ってきました。


隠岐フェア


この隠岐フェア、たぶんここ数年毎年開催されてるんだろうと思うんですが、行ったのは初めて、という何やってんだお前、とツッコまれそうな白状から始めます。

隠岐フェアというくらいなので、隠岐の4つの島それぞれから人と物産が集まり、おいしい食べ物が食べられたり、楽しい人の話が聞けたり、クラフトワークを体験できたり、と盛りだくさん。

時間帯によって、それぞれの島のアピールタイム?が用意されていました。
このアピールタイムでは、イベントを通じて、隠岐の美味しい物が当たったりする特典付き!


隠岐の島町のステージはジャンケン大会


他にも、各島のブースごとに販売がありましたし、外ではオープンカフェのような感じで、のんびり飲食できるようになっていました。
外ではイカ焼き、煮込みサザエ、岩ガキ、かき氷、たこ焼き……いろいろなものが売れてました。


また、2階にあがると、隠岐ジオパーク展が同時開催され、この日は黒曜石から矢じりづくり体験も行われていました。黒曜石については、別途書きたいと思います。

黒曜石の星座盤


入込みも多い!!

それにしても、人が意外に多くて驚きました。

西ノ島からはサザエご飯や、カメノテを加工したふくろうの細工などが売られていましたし、島後のブースでは農林水産加工品を中心に販売されていました。
中ノ島(海士町)では、ハーブソルトやふくぎ茶など、推している商品が盛りだくさん。知夫里島は外で売られていた煮込みサザエが印象的。


知夫里島のブースで売られていた煮込みサザエは絶品
売り子さんで印象的だったのは、海士町ブースですね。
楽しそうな笑顔と、商品の説明をしっかりとしてくれました。

思わず鰹節塩を買いました


隠岐ジオパーク展

最後に隠岐ジオパーク展について紹介。

奥の黒い幕の中にウミホタルの水槽

隠岐ジオパークのスタッフの方がわざわざ貴重な岩石を持ってきてくれています。

隠岐は5つのステージにわけて、ジオパークを紹介していますが、各ステージを代表する岩石が揃って見られる機会は、なかなかありません。
また、ウミホタルも展示されているので、幻想的なミルキーブルーの光を見て涼やかな気持ちになれるかも~。

ぜひお楽しみに!!

2011-07-11

カルボナーラを作った



週末の9日に、カルボナーラを作りました。

レシピはいつものとおり、クックパッド参照。。

しかし、今回はパスタの量と、ソースの量のバランスが悪くなってしまいました。

パスタは3人分、ソースは2人分の分量でやってみたところ、重たいパスタのできあがり。

それに、生たまごだとちょっと不安かな~と思い、最後にパスタと和える時にサッと火を通したんですが、
それでたまごが硬くなっちゃったかな。

味付けはソースを適切な量で作ればたぶん、問題ないレベル。

バランスが悪いので、ちょっと薄味でした。。
グハッ!

2011-07-09

「新しい公共」に向けて


今回の「新しい公共」事業の印象を整理しておきます。

東部を中心に17件もの手が上がったこの事業、たしかに“使い勝手のいい”事業ではあります。
人件費も認められている、希少な事業です。


でも、前の記事でも書いたけど、今回の肝はファンドレイジングにある、と当初から確信していました。
そのため、審査会で見た17件の事業概要に、「ファンドレイジング」の文字がなかったことには少なからず驚きました。


おそらくは、従来の事業の延長線上にあるという認識だったのかなと受け止めています。


でもね、それじゃダメなんだと思うんです。
なぜなら、今回の「新しい公共」という枠組みは、従来の延長線上にないものですから。

新しい社会システムを創りだそう、市民参加という言葉を根本的に変えていこう、という目的の第一歩に位置づけられる、きわめて重要な事業です。

この辺の動きは、鵜尾さんのブログを見ていけばわかるかと思います。
方向性として、僕は賛同しています。

だから、今までの実績を踏まえることは大事でも、考え方、この先の捉え方を変える可能性を示すことが必要だったのだろうと思います。

提案された案件には、県内でも実績豊かな有名なNPO法人様もいらっしゃいましたが、それでも僕が思っていた肝の部分にはふれることがありませんでした。

不安になる瞬間もありました。もしかして、自分の「新しい公共」に対する受け止め方が違うのでは?と。
でも、間違ってないはず、となぜか自信はありました。
これでダメなら仕方ない、と思えるくらいに。


夜遅くなので何を言いたいかわかりませんが、とにかく新しい公共というものに対する認識が人によって大きく違うな、という印象です。
それは隠岐も同じで、このシステムを変えていこうという第一歩だという事は常に言い続けないといけないな、と思ってます。

ま、これは大きなチャンスでもあります。
がんばりましょう!!

島根県の「新しい公共」|隠岐ジオパーク戦略会議の提案 vol.2



前回の続きで、新しい公共の具体的な提案内容についてご紹介します。

まず、今回のプロジェクトの中核となる組織の立ち上げです。


1.隠岐ジオパークガイド協会設立


隠岐ジオパークは現在、「隠岐ジオパーク推進協議会」という組織を中心として世界ジオパークネットワーク(GGN)登録に向けて動いています。
しかし、隠岐ジオパークの運営を担う中核的組織はやはり必要です。
それも、フットワークが軽く比較的意思決定を円滑に行え、何かあれば即対応できる組織が。

そのための組織として、「隠岐ジオパークガイド協会」をまず設立します。
  • 2011年度中 協会設立準備
  • 2012年4月 協会設立(任意団体として)
  • 2013年4月 NPO法人格取得

大まかなスケジュール感はこのようなイメージです。
細々と検討しなければならないことはたくさんありますが^^;


2.認定ガイド制度

隠岐ジオパークではおよそ7年前から「風待ち海道エコツーリズム大学」という名前でいわゆる地元学講座を毎年開催してきました。

その成果として、隠岐のエコツアーできちんと対価をいただいてガイドをされる方も出始めています。これはとても大きな成果の一つだと言えるでしょう。

その一方で、ボランティアガイドとして活躍されている方もいらっしゃいます。

このような状況になると、対価をもらって案内するガイドにはそれ相応のスキルが求められます。
対価をもらうということはプロフェッショナルであれ、ということですから。

ということで、ガイドの認定制度を導入します。
ただ、これはいろいろと乗り越えなければならないハードルがあるような気がしています。


3.ガイド協会の収入基盤

ガイド協会が存続していくためには、何か収入基盤が必要となります。

この部分は、僕が紹介するよりも地元の方に紹介してもらった方が共感しやすいと思いますが・・・。

収入源として考えているのは、

  1. ガイド紹介業務
  2. ファンドレイジング文化の醸成
  3. ソーシャル・アプリの開発と販売
  4. ジオグッズの開発と販売

です。

個人的には、これらを進めていく上で欠くべからざる要素が、「共感の環を広げる」ということにある、と強く確信しています。
これは昨年、島根県で開催されたNPO活動推進大会で日本ファンドレイジング協会の鵜尾さんが講演の中で仰ったことで、とても強く心に残ったフレーズです。

鵜尾さんのブログはこちら→ファンドレイジング道場


3-1 ファンドレイジングの取り組み

今回の提案の肝です。
隠岐で取り組みをはじめてほしい!と、ずーーーっと思ってきたことです。
寄付文化を育みましょう、ということなんですが、単にお金をもらいましょう、ということで提案してはいません。

寄付してくださいと言われて「はい」と応じる人はそうはいません。
では、どうすれば寄付してもいいと思えるか。
それは、隠岐がやりたいこと、達成したいこと、実現したい将来像に共感し、「ぜひそうなってほしい」と思えたとき、はじめて行動に移るのでしょう。

また、そう思っても実行に移せない人もいると思います。
それでもいいんです。わかってくれさえすれば。
その人がもしかしたら5年後10年後には何か自分なりの行動を起こせるかもしれません。
その時、隠岐が変わらず理想を追いかけていることがわかってれば、きっと思いは繋がります。

そういう共感の環を広げる、という意味でのファンドレイジングの取り組みを提案しました。
ただ、できることはすればいい、と思うので例えば主要施設では、隠岐の生物多様性やその保全の活動を紹介するパネル展示とともに、募金箱等を置いておくといったことはできると思います。


3-2 ソーシャル・アプリの開発・販売

スマートフォンの普及も進んできました。
そこで、スマートフォン向けのアプリケーションを開発・販売をしたいと考えています。

まずは隠岐の神社図鑑のようなアプリを考えています。
隠岐には150社以上の神社があり、それらの謂れや主祭神などはデータベースになっているので、それをわかりやすく、楽しく伝えるアプリとして開発したいところです。

問題は、OSをどうするか。
個人的にはiPhone使ってるのでiOSがいいな~とは思いますが、Androidなども当然検討しなければなりませんので、これは要協議です。

想定している購入していただけそうな方は、隠岐を好きな方、隠岐を訪れたことがある方、神社マニアな方、新しもの好きな方など。

島内では、できればiPadのようなタブレット機にダウンロードしておき、ガイドさんが使ってくれると、例えばその日見られない祭りの様子などを動画で紹介できるので、次は祭りを見に来てくださいね、という振り方もできるんじゃないかな~と思ってます。
これはガイドさんと要相談です。


3-3 ソーシャル・メディアの活用

最後は、情報発信です。
とにかくここは弱いです。。
自分もノウハウがあるわけじゃないので、シンドいところではありますが、やらなきゃしょうがないです。(ノウハウがあれば、このブログももっと伸ばせるはず……^^;

ということで、対外的・公式的な発信はCanpanブログなどを使い、日常的な更新なんかはTwitterやFacebookを活用してもらい、さらにオフィシャルサイトでそれらへのリンクを飛ばす、という形かな。
あと、開発したアプリの紹介は至る所で紹介、リンクを貼って誘導。

そんなことを考えています。


おわりに

以上が今回提案した内容をざっくりと紹介したものです。
実際、言葉足らずな部分もありますし、紹介していないプロジェクトもあります。

ここまで出してよかったのか?と思いもしますが、そもそも審査会が公開されてたものだし、許可ももらっているからいっか~と^^

今回の提案書作成とプレゼンテーションを通じて感じたことは、今回の「新しい公共」への期待の高さです。
それは県もそうですし、審査員の方もそうだろうと思いますが、なにより期待しているのは僕自身。

これまで、こうすればいいんじゃないか、ああすればいいんじゃないか、そんなことがモヤモヤしていましたが、この「新しい公共」という枠組みでは非常にしっくりとまとまった気がしています。

もちろん、やや強引な部分はありますし、見込みが甘いあるいは厳しいところもありますが、隠岐に対しても僕の考えは伝わったし、同じ方向を向いていけると思います。

あとは、提案した以上の成果をぜひ出したいところですが、まあソフト系事業は成果が非常に出しにくい。。。と始まる前から言い訳じみたことを^^;

でもね、僕は今回のこのプロジェクト、いけると思いますよ。本気で。
僕ができることはやり切るつもりです。いろいろとハードルはありますが……。

もしこの長いブログを読んで興味持たれた方、アドバイスある方いらっしゃればコメントでもFacebookでもいいのでご指摘ください。
決定権はありませんが、個々の提案には反映できるように思います。。


参考

2011-07-08

山の味覚で地域再生



邑南町のA級グルメプランが地域再生計画に

邑南町はここ数年、食をキーワードにいろんな仕掛けをしていますね。

食というキーワードから、農商工連携、6次産業化等の取り組み、それらのプロモーションとして対外的な情報発信、ネット通販等々。
有名なところだと、シックスプロデュースやみずほStyle、香木の森公園などがありますし、自然を楽しむなら断魚渓などはいいところです。

その邑南町の地域再生計画が内閣府に認定を受けたというニュースです。
地元産の食材を生かした「A級グルメ」のまちづくりで2011年度からの3年間に、164人の新規雇用創出を目指す。
それにしても 、この雇用創出効果の目標はすごい。


ただ、これだけの頑張りの背景には、やはり止まらない人口減少がありますよね。
中山間地域に位置し、高齢化も進む中、地域として将来をどう考えているのか。子どもたちに何を残したいのか。
そういうことを考えて、今の動きへと繋がっているのでしょうね。

邑南町HP

2011-07-07

『フィンランド 豊かさのメソッド』読了


『フィンランド 豊かさのメソッド』を読み終えました。
ので、レバレッジメモから簡単に紹介。


どこかで聞いた隣国との強烈なライバル意識

まず印象に残ったのは、教育環境もさることながら隣国スウェーデンとの関係について。
これは第4章に書かれてるんですが、日本と韓国の間柄とそっくりというか何と言うか。

占領下にあった背景から来る強烈なライバル意識、スポーツ大会では優勝よりもスウェーデンに勝つことが大事などなど。
どこかで聞いたことあるな~と思ってたら、日本と韓国だったという。。

一般的にイメージする「フィンランド」や「フィンランド人」とは違う印象を強く植え付けられた本書ですが、高福祉社会、PISAで一位にランキングされた教育環境という面も面白く読めます。


フィンランドの歴史

フィンランドの歴史は、長く他国に占領・支配されてきました。
12世紀からスウェーデンに支配され、19世紀にはロシアに支配され、日露戦争でロシアが負けたことを機に独立。その後WW2でロシアと戦い、多額の賠償金を負担する、という決して平坦な歴史ではありません。

がしかし。

フィンランドはWW2からいち早く立ち直り、経済的にもいちじるしい発展を遂げました。
その後、バブルがはじけ、高い失業率に襲われているというのがフィンランドの歴史を概観したものです。

また競争力世界一と言われていますが、国民にはあまり実感がないようです。
その理由もやはり高い失業率とのこと。


フィンランドの学習環境

フィンランドは生徒間、学校間による学力差は少ないそうです。また大学は自由度が高く、卒論を書いても卒業しなくても良かったりするそうです。
修士は企業と結び付きが強く、企業からテーマを与えてもらって研究活動に取り組むケースもあるとのこと。
ただし、それは市場開拓の可能性が高い理系の学生に言えることであって、文系はそうではないということ。


市場に結びつきやすい自然科学は政府から資金援助を受けやすいが、その研究が市場と結びつきにくい文系の分野は、政府や周りから資金援助が得にくいといった傾向もある。(P.38)


環境で日本と似てるなと思ったのは、フィンランドは移民が少ないという点です。
移民が少ないということは言葉や文化などバックボーンを共通しているので一貫した教育、一定レベルの教育をしやすい環境にある、ということにつながります。

ただ、最近はやや移民も増えつつあり、この辺も日本と似ている点かもしれません。


おわりに

本書を読んで感じたのは、これまでイメージしてきた北欧フィンランドというものとはやや異なっていました。
森と湖が豊かなフィンランドでの暮らしぶりは、PISAで一位にランキングされることからイメージされるセカセカしたものではなく、伝わってくる空気感は非常にゆったりと流れています。

しかし、高負担高福祉社会としても有名なフィンランドは、高い失業率という課題を抱えながらも、国民には危機感が少ないようにも思われました。
今後もこのシステムが継続しうるものかどうか、移民流入の増加もあり、システムを見なおさなければならなくなる時期は早晩来るのではないか。

その時、フィンランドはどうするのか。
日本はいまその局面に向かって、何を学ぶのか。

印象的だった、政治家の政治家たる言葉を紹介します。

「政治家の役割は、国がいかに危機に瀕しているかということを国民に知らせ、それを克服するには大きな変化、痛みが不可欠であるということをわかってもらえるように説くことだし、そして状況を判断しもっともふさわしいといえる決断を迅速におこなうことだ」(ヘイノネン氏)(P.36)

※ヘイノネン氏とは、オッリ=ペッカ・ヘイノネン氏で、29歳の若さで教育大臣に抜擢された人物。
また、2002年までは運輸通信大臣も務めた、本書曰く「強者(つわもの)」です。







概要


書名 フィンランド 豊かさのメソッド
著者 堀内都喜子(Horiuchi Tokiko)
出版 集英社新書(2008/10/29,第1版第6刷)

目次
 はじめに へぇー、フィンランド? 日本人には馴染みの薄い国だが……
 第1章 不思議でとても豊かな国 ~失業率20パーセントから国際競争力一位へ
 第2章 学力一位のフィンランド方式 ~できない子は作らない
 第3章 税金で支えられた手厚い社会 ~独立心が旺盛でたくましい女性
 第4章 日本と似ている?フィンランド文化
 おわりに

2011-07-06

島根県の「新しい公共」|隠岐ジオパーク戦略会議の提案 vol.1


はじめに

先日こちらでお知らせしていました島根県の「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」について、本日関係者より採択されたとの連絡をいただきました!!

新しい公共モデル事業(島根)

僕は、(仮称)隠岐ジオパーク戦略会議の一員として参画していましたが、まずはひと安心といったところです。
これからが大変にはなりますが……(苦笑)


でわ、隠岐ジオパーク戦略会議の提案内容を宣伝も兼ねてこちらでも紹介します。
示しているのは公開審査会当日に使用したスライドです。
提案書からはかなり抜粋しているので少しずつ補足しながらになります。

事業名は「ツアーコーディネーター養成による新たな観光形態と収入機会の創出」とあり、大変仰々しいものとなっています^^;

しかし、やりたいことはシンプルで、ジオパークを管理運営できる組織を育成することと、その組織が継続して活動できるための収入源をいくつかの手法で確保する、というものです。


現状と課題


スライドの字が小さいですね。。
まず、何故隠岐ジオパーク戦略会議が今回の提案をしたのか。その背景です。

ひとつは、基幹産業の低迷
隠岐は離島であり、観光業は島の基幹産業のひとつですが、ここ10年ほどの観光動態を見ると減少傾向に歯止めがかかっていません。
(スライド中左のグラフ、赤線:隠岐の島 青線:島根県全体

しかし、観光業は裾野が広く、観光関連事業者も多いので何とかしなければなりません。

また、もうひとつの基幹産業である建設業はより厳しい状況です。
雇用の受け皿として大きな役割を果たしてきた建設業者は近年の公共事業予算の大幅な縮小により、厳しい状況に追い込まれています。
(スライド右のグラフ、10年間で4分の1にまで減少しています。額にして200億強が約50億まで減少)

仕事量が4分の1にまで減少しては、さすがに雇用を維持できず、人口流出も残念ながら歯止めがきかない状況です。
なにより、家計を支えていたはずの仕事がなくなるので、世帯ごと島を離れるケースもあると聞きます。
建設業者さんは、それぞれ独自に生き残りをかけて農業参入など新しい展開を模索されています。



事業の趣旨・目的と期待する効果


そんな背景を抱える隠岐ジオパーク戦略会議として、今回の事業を次の目的をもって取り組みます。
  1. 隠岐ジオパーク運営の中核的役割を担う組織・人材の育成
  2. ファンドレイジング文化の醸成
  3. ガイド協会の設立によるガイド収入機会の創出
  4. 多様な商品開発と販売による組織の自主財源の基盤づくり

そして、この事業を実施することで、隠岐ジオパークを安定・継続的に運営していくことができるようになり、隠岐を訪れる観光客の方に一層楽しんでいただくことができる、ということになります。


長くなりますので、提案内容の詳細は別の記事でご紹介します。

以下のポストも合わせてご覧ください。

島根県の「新しい公共」|隠岐ジオパーク戦略会議の提案 vol.2

隠岐ジオパーク公式サイト オープン

注)本文には、「ジオパーク」という言葉が頻発しますのでご注意を(笑)


日本ジオパークに登録され、現在世界ジオパークに申請中の隠岐ジオパーク、以前から関係者を中心に早くHPを用意するように、と指摘がされてきましたが、ようやく公式サイトがオープンしました。


人と自然を繋ぐ島 というサブタイトルですね。

隠岐ジオパークは、地質資源はもちろんですが、地質を基盤とした植生と人間文化も含んでいる点が魅力だと言えます。

また、ブログも上記サイトからリンクはられているので、今後の更新に期待ですね。

隠岐ジオパーク戦略会議 スライド

島根県の新しい公共の場づくりのためのモデル事業に使用したプレゼン資料です。

事務局から許可出たので公開。
内容を詳しく解説した記事はまた今度アップします。




SlideShareはシェアできるのはいいけど、どうもフォントがずれてしまいます。
何が原因なんだろう。。

2011-07-05

復興への道のりと大臣辞任と

松本龍氏(ヨミウリ・オンラインより)

松本龍氏が失言で復興担当大臣を辞職しました。

コレに関する世論としては、9割くらい「何を言ってんだ」「辞めて当然」と、賛成が多いように感じます。

そんな中、このブログのように松本龍氏を断固指示すると表明する人も出ています。


言葉遣いはこの時期なので、本当に大事に考えなければならないし、政治家にとっての言葉は分身であり、命であるでしょうから、「粗にして野だが、卑ではない」などと後から誤魔化されても困ります。
そういう意味で、資質として復興担当大臣が適任であったか、という点は疑問が生じます。

ただ、ひどい言葉遣いを切り離して、言ってることの本質を見るとどうなんでしょう。


上記ブログの中で主張されているのは2点。

  1. 被災漁港の集約について「県でコンセンサスを得ろよ」と注文した点
  2. 「知恵を出さないところは助けない」と発言した点
この2点について、時期的なことを別にすれば、わからないではないかなと思います。


漁港の集約

単純に漁港を集約するという話であってさえ当然住民のコンセンサスを得て進めなければならないが、それ以上の話である。
宮城県の復興計画
野村総研が全面関与
知事「地元の人 入れない」
東日本大震災からの復興をめぐり、宮城県では村井嘉浩知事が、大企業が漁業権を獲得しやすくなる「水産業復興特区」構想を打ち上げる(10日)など財界と同じ「構造改革」路線が突出しています。同構想には、漁業者が激しく反発していますが、知事は「撤回するつもりはない」(23日)と貫徹する構えです。
(中略)
「あえて地元の方はほとんど入っていただかないことにした」と表明。その理由として「地球規模で物事を考えているような方に入っていただいて、大所高所から見ていただきたいと考えた」などと語っていました。
県(知事)の独走である。
住人のための理想を掲げて住人を置き去りにするだけでも、民主主義の軽視である。三分の理ぐらいはあるが、許されない。
宮城県の施策はそんな理念の暴走ですらないのである。最初から住民は埒外に置いた、企業の利益のための施策。災害というチャンスを利用して住民の権利を剥奪し、企業に与えようという施策だ。
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2011-05-29/2011052901_02_1.html


正直、宮城県内でどのような体制で復興計画を考えているのかわかりませんが、復興計画の検討委を見ると、件の野村総研はもとより、三菱総研、日本総研、日本政策投資銀行など大手シンクタンクが参加しています。

そのような中では、今回の震災を機に、大きな構造転換を図るチャンスだと考えることはあり得るので、上記のような状況はあるのかもしれないなとは思います。

そして、そういう内情を松本龍氏が掴んでいて、民意をハナから除外するな、という釘を差したのだとしたら「なるほど」とは思います。

他方、そういう大きな災害後だからこそ地方行政のトップとして、百年の計をもって上記構造改革を推進しようとしている可能性も否定できないのかなと、遠く離れた場所にいると思うわけです。

その好例が関東大震災で被災した東京において、多くの反対を押し切って区画整理事業を実行した東京市長永田秀次郎氏です。

永田秀次郎は「市民諸君に告ぐ」と題した演説を行った。

全文はリンク先で読んでいただくとして、被災後の厳しい状況において、

もし万一にも我々が今日目前の些細な面倒を厭って、町並や道路をこのままに打ち棄てて置くならば、我々十万の同胞はまったく犬死したこととなります。我々は何としてもこの際、禍を転じて福となし、再びこの災厄を受けない工夫をせなければならぬ、これが今回生き残った我々市民の当然の責任であります。後世子孫に対する我々の当然の義務であります。

とあり、被災した街を後世にどう受け継いでいくのかということに力点が置かれています。

宮城県の漁港集約がどの程度こうした理念を持っているのかは知りませんが、なければ論外。あるならどんな反対があっても、子や孫、ひ孫に至るまで暮らしやすい宮城にしていくのだという強い決意を表明する必要があるでしょう。


知恵を出さないと助けない件

これについては、平時であればそうだと思います。平時なら全面同意です。
地域振興、再生に意欲のない地公体まで積極的に支援することは過剰保護だと思います。

が、今は平時ではないので、あまりにも高所からの物言いになっています。

この件以外にも 、松本龍氏は国より県が立場が上だという認識のもと発言されているように見受けられました。


リンク先では、この発言については予算が限られる以上、選択と集中は必要なので、そういう意味で言ったのであろうと擁護しています。

果たしてそうなのでしょうか。
予算が限られている中、選択と集中という考えはある意味当然であり、前提条件じゃないのかなと思うわけです。
もしそれがわからずに復興計画を描いているのだとしたら宮城県職員の資質が疑われると思いますね。

よって、この発言は現時点では擁護できない、というか意図がわからない。


おわりに

コンセンサスを得ろの件について、最近よく考えることではあります。
それは、住民ニーズと、政治家あるいは行政のニーズは必ずしも一致しないだろう、という点です。

つまり、住民にニーズを聞いて歩くこと、それは重要で欠くべからざることではありますが、住民から出てくるニーズの多くは、「困っているのは今なんだよ!」といった現時点でのニーズですよね。
それが悪いのではなく、住民は困ってるんだからそれが当然だと思います。

一方で、政治家や行政に求められるのは、そういった即時的対応とは別個に、5年後10年後あるいは100年後のこの地方をどうしていくのか、という長期的な復興ビジョンを示すことだと思います。

そこで齟齬が生じるのだろうと最近考えます。

僕自身も、今回の震災から復興するためには相当に思い切った政策が必要だと思っていますし、それには県や市町村のリーダーシップと覚悟が求められると思っています。

それでも、スピードが命とは言え、住民を敢えて議論から外すというやり方はイカンでしょうけどね。。

いま書きながら思ったことは、そういう即時的対応の主力は「新しい公共」に委任して、政治家や行政はサポート役に回ればいいのではないかなぁ。


選択と集中については、やる気のあるところ、知恵を出すところを重点的に支援する、というのは平時なら誰もが賛同することだと思います。
ただ、発言に際して時期を考慮しなかったことと、知事に対する物の言い方で大きな反発を食らいましたね。

ということで、賛同はできませんが松本龍氏の言ってることについて、自分なりの考えと解釈をするとわからなくはないです。
が、時期と言葉遣いを考えると、復興担当大臣というポストは不適であったと言わざるをえないでしょう。

もし宮城県が本気で住民を排除して、ビジョンを描くのなら思いのたけを県民に訴えることは必要でしょう。
誰のために推進しようとしているのか。子どもたちのためというなら、その思いを分け合わないと。

リンク先が指摘しているような大企業のためというわけではないのなら、必要なことだと思います。

2011-07-04

ボンゴレを作った


先週末にふとネットを見てたらボンゴレの紹介がありまして、非常に簡単そうだったので早速作ってみました。

結論は、めちゃくちゃ簡単。
にんにく刻む以外、手も汚れません。

欲を言えば、もう少し大きめのあさりにしておけばよかったかなぁ。。。


食べてから気づいたことは、玉ねぎいれても良かったかも、ということと、コクを出すためにバターを少し入れても良かったかも。

でも、とても簡単でまあまあ美味しくできたのでよかったです。

2011-07-02

2010年度 隠岐×学生PJ

海 親子 人物 自然 海岸 [2585933] - 写真素材
(c) ゆくいな写真販売 PIXTA



このエントリーは以前、Facebookのノートに書き留めていたものをベースにしています。



1.地域と大学生をつなぐ

昨年度、隠岐の島で、学生と地域をつなぐ仕組みづくり、というテーマでいろいろとやってみました。
というより、隠岐の方々にやっていただいて、そのサポートを微々たるものだけどしてみた、というのが正確な表現か。

その報告書を僕の方で取りまとめのたたき台を作成したのですが、効果は大きいなと改めて実感します。


2.隠岐の状況

隠岐には大学がないから、島の子どもたちにとって大学生って身近じゃないんですよね。
もちろん、兄弟姉妹にいれば多少は「大学生とは」といったことが分かるのかもしれないけど、家族に見せる姿と大学生としての姿は違うだろうと思うので、やはり大学生に対するイメージって十分ではないと思います。

だから大学生が地域の中にいて、何かしらやってるんだという姿を見せることは、地域の高齢者にも効果が期待されますね。
ただ、より効果を期待したいのは、やはり次の社会を担う子どもたちにとっていい影響をもたらすということですよね。
それに、世の中に冷めるのは簡単だけど、アツい学生がいるんだということがわかれば、身近なロールモデルとして認識してくれるんじゃないか。そんなことも期待していました。


3.大学生の経験値

もう一つの側面として、学生が現地調査からやりたいことの企画、実践まで一貫して取り組むというのは良かったと思いますね。
学生の負担はけっこう大きかったと思うから参加してくれた学生には頭が下がる思いです。彼らのおかげでいい刺激を隠岐も、僕ももらえたと思っています。
そして何より、アンケートに回答してくれた学生の多くが、隠岐を好きになってくれた、ということがうれしいし、企画して良かったと思えます。

リップサービスもあるのかもしれないけど、嬉しい。

それに、本来の目的である学生のやる気が引き出せたと思うし、考える力、調整する力、地域にはいろんな人がいるという現実を知ってもらえたと思う。


4.子どもにとってのロールモデルの必要性

これと似た効果がスサノオマジックだと思いますね。
プロのバスケットボール選手が松江に住み、僕達のすぐそばでエキサイティングなプレーを見せてくれる。
それが島根県内の小中高バスケット部員にどれだけ大きな影響を与えているか、計り知れません。
僕もバスケをしていて、中学生時代に松江工業のゲームを見たけど、高校生のプレーでも感動したのだから、プロのプレーが与える影響はそれはもう推して知るべしといったところか。

伸び盛りの子どもにとって、学業はもちろん大事ですが、自分が尊敬できる、お手本にしたくなる先輩、年長者を見つけられることが大事だと思います。
「この人みたいになりたい」「こんな大人はカッコイイ」

5.おわりに 

今後も続けていければいいのですが、今年度はどうかな……。

最後に、プロジェクト名は当初、「時をかける少女」通称「ときかけ」にかけて「隠岐×学生PJ」(おきをかけるがくせいプロジェクト)としたんだけど、恥ずかしくて「おきかけ」とは言えなかった(笑)

2011-07-01

ボーカルがセクシーなバンド/Blondie

Blondieのボーカル デボラ・ハリー



Blondieというバンドは知っていた。
『Call me』という曲は聞いたことがあった。
『Heart of Glass』という曲も聞いたことがあった。

でも、二つの曲をBlondieというひとつのバンドが歌っていたとはここ1年くらいまで知らなかった。
Heart of Glassの優しげで物憂げで怪しげな声質と、Call meの力強いボーカルがどうしても結びつかなかったし、今も怪しんでいる(笑)

それにしても『Heart of Glass』は1979年発表ですか。。
信じられないくらい古さを感じさせない名曲です。



  • Heart of Glass


  • Call me