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2011-09-19

土と共に生きる


里山で生きるということはどういうことか。

3.11以降、少しずつそういったことに思いを馳せる人は増えているのでしょう。

そんな今だからこそ、里山で生きる人々を特集したのがNHKのフェイスという番組です。
里山に眠る“エネルギー”|NHK フェイス



9月19日 18:10~

ナビゲーターに藻谷浩介氏を迎え、広島県庄原市で暮らす一人の男性と、岡山県真庭市の企業に焦点を当て、”木”をまるごと使いきることで里山のエネルギー優位性の一端を示したと言えるかな。


自分もいつかは里山で暮らしたいなと思ったりするひとりですので、楽しく興味深く見ることができました。

エコストーブがほしくなった(笑)


福岡二日目 後半 伊都菜彩~九大



福岡二日目、午後からは道の駅伊都菜彩と、最近移転した九大キャンパスに行ってきました。

伊都菜彩は噂には聞いていましたが、ものすごいお客さんでした。



ただ、中は撮影禁止ということで、写真はここまで。
とりあえず、人の多さはこれでも伝わるかと。


九大は特に何を、というわけじゃないんですが、あえて言うなら冒頭の写真にある新しいタイプの風力発電機を見に行った、といったところです。

形が特徴的で、羽(ブレード)がないことにすぐ気がつくと思います。
ブレードがないので、音はかなり静かで、現行の風車などだと低周波の問題などが指摘されていますが、この風車だとかなり軽減されるのではないでしょうか。

この風車の名前は「風レンズ風車」というそうで、九大が中心になって性能実験等行っているそうです。

また、風向きにわりと敏感に反応して方向を自動で転換するようで、見ている間にもクルクル首が回ってました。この時にも音はなくて、静かだなという印象。

サイズは種々あり、冒頭の大きさのもあれば、もっと小型のものや、さらに大型のものまで。

新しいキャンパスということで、建物もきれいでした。




福岡に関しては、こちらも合わせてご覧ください。

1日目:刺激的な仲間と博多の夜
2日目前半:福岡二日目@白糸の滝(糸島市)

2011-09-18

福岡二日目@白糸の滝(糸島市)


さてさて。出張が続いてて、福岡行き二日目の様子がアップできませんでした。

二日目は、福岡の隣、糸島市にある白糸の滝と、一部で有名な道の駅伊都菜彩、九州大学に行ってきました。


白糸の滝

白糸の滝という名前はおそらく全国いたるところにあると思います。


白糸の滝|糸島市

こちらの紹介にあるように、ここからの眺望は素晴らしく、山の奥深くから玄界灘まで一望できる素晴らしい場所でした。
幟がなければさらに良かったかもしれない

話を聞くと、地元ではかなり有名なスポットで、休日になると車が列をなすほどお客さんが集まってくるそうです。
僕たちが行ったのは比較的朝早い時間帯だったのでそれほど多くはありませんでしが、帰る頃には車も少しずつ増えていたので、なるほどなといったところです。


山女(ヤマメ)

駐車場から少し歩くと白糸の滝が見てきます。
そして、その滝壺から流れていく少し下流にはヤマメを放流してあり、釣り堀のようになっていました。
円を描くように泳ぐヤマメ

想像以上にしっとりとした姿の白糸の滝

メインの白糸の滝は、名前からして穏やかな滝だろうとは思っていましたが、想像以上にしっとりとした、気品のある滝だなという印象。

島根県にも滝はいくつもあり、有名な滝だと雲南市にある龍頭ヶ滝なんかがありますし、しっとりという印象では隠岐の島町の壇鏡の滝なんかがいい感じです。
しかし、ここ白糸の滝はそれらとは違いました。
流れ落ちる滝、というのはこういうものなんだな、と。

※手前の穏やかな水面の場所にヤマメがいました。


下流には今は使われていない施設・資源

ここからさらに下流に歩いて行きます。
この一帯は地元の方が管理されているらしいのですが、スタッフのかたも比較的年齢の若い方も多く見られました。
以前は、ここを訪れる人は滝の下流で川と親しんで時間を過ごしたらしいのですが、最近は自動車が主要な交通手段となったためか、滝を見てすぐ帰ってしまうことが多いとのこと。
せっかく来たら楽しんでもらいたいという思いもあるようです。



途中までは遊歩道も整備されているので歩きやすいです。
水車は故障して動かないとか。。。
個人的には、この川沿いにもたくさん生き物たちがいると思うので、それらを写真付きの紹介パネルにして水車小屋とかに展示してもいいのではないかと思いました。


さらに下流に行こうとすると遊歩道はなく、自然道というのか獣道を歩いて行くような感じになります。
勾配も少しきつく、ヤブが多いので、正直、子ども連れだと厳しいかなという印象です。


この落差の大きな場所まで行って、周りの空気や様子を少し見たところ、このすぐ上流が川に入って遊べるいい場所だと感じました。
ただ、すぐ下流にはこの数メートルの落差があり、手前には当然ですが柵も何もないので、少し危険がありリスク管理が重要になります。


リラックスできるいい環境

ここからはまた元きた道を戻って、白糸の滝を後にしました。




以前、イギリス人の方に聞いた時、「へ~」と思ったことのひとつに、主にヨーロッパの旅行者は神社や自然体験が好きだという話とともに、特に滝が好きだよ、という話しがありました。

適当に紹介すればいいものではないけど、滝は思っている以上に外国人旅行者に対するフックになるんじゃないか、と思っています。
英語で情報発信する場合、ある程度優先順位をつけて紹介しないといけないとしたら、戦略的に滝、神社、生態系、などのようにしておけばいいのかも、なんてことを考えてます。


福岡に関しては、こちらも合わせてご覧ください。

1日目:刺激的な仲間と博多の夜
2日目後半:福岡二日目 後半 伊都菜彩~九大

2011-09-16

うまいものをいただいた福岡行き

9月10日の朝食。広島駅構内の喫茶店にて。
チーズがたっぷりのホットサンドは美味しかった。


9月10日の昼食。博多駅について少し休憩してからいただきました。
名前は忘れたけど、人が他店より多かったようです。
10日夜の2軒目の店員さんがオススメと言ってた店舗グループでした。

こちらは10日の夕食第1弾。モツ鍋をいただきましたが、本当にうまかった。
あんなに美味しいものだとは思ってなかったので嬉しい発見。


10日の夕食第何弾かはわからない(笑)
暖暮というお店で、酒が入った後だったのでやや気持ち悪くなりながらも、美味しくいただきました。
高菜を入れるとまたいいものですね。

2011-09-14

TPPねぇ。。。

TPP参加へ向う野田内閣: ニュースの社会科学的な裏側

とりあえず前原さんにならなくて、ほっとしているんですが、まあ野田さんもそうだよね、という話。

1981年には1.04ha/戸であった経営耕地面積は2009年には1.91ha/戸となっており農業の大型化は進んでいるが、さらに何倍かにする必要がある状況だ。


いや、ね?わかるよ。わかる。
言いたいことは。


要は、日本の農業はさらなる効率化を図れ、と

日本の農業は国際的な競争力を持てばいいじゃない!
もっと効率化すればいいじゃない!
農地集約すればいいじゃない!

こういうことですよね。

じゃあ、日本の農業を支えている一員である中山間地域のコメ農家はどうすれば?
集約しましょう、といってできるような地理的条件にないのですが。

百歩譲って、平地農業なら集約はできるでしょう。

それは多分、5年~10年ほどで進む話だと思ってます。
世代交代するから。

それでも、日本の農地を多少集約したところで、アメリカ、オーストラリア、フランスなどの広大な農地と比べればそれはもう狭いものですよね。

現状、農業に関して技術的イノベーションはなかなかできないのではないでしょうか。
というのも、これまでの数十年間でものすごいイノベーションが起きているから。
農業機械、化学肥料、農薬等等の開発は生産性向上に大きく寄与してきました。

技術面では、絞りきった雑巾をさらに絞るように知恵とアイディアを出すしかない状態だと考えています。

つまり、日本の農業も競争力をつけて世界で勝負、という話にはならない。


TPP参加して何のメリットが・・・?

次、TPPそのものについて。

何度か書いたけど、TPPというきわめて条件の厳しい枠組みに自ら飛び込むメリットはなに?
二国間ではダメなの?多国間じゃないとダメな理由は何?

しかも枠組みに参加していて、唯一日本から見て輸出先になりうるであろうアメリカも現状ヒーヒー言ってて、日本が参加してどこが日本の製品を積極的に買ってくれるの?
みんな日本やアメリカの市場を期待しているんじゃないの?

平成の開国って何?

経済界が主張するのはわかるんですよ。
だけど、農家を一方的に、日本経済の足かせとラベリングしてしまうのはどうだろうか。
議論してこの辺の疑問も明らかにしてほしいんだけど。
それとも、すでに答えは出てて、自分が勉強不足なだけなのか。


安全保障上の位置づけにはできないのか

農業は食料であり生きていく糧なわけで、食料保障・安全保障に位置づけたほうがいいのではないかなと思うわけです。

僕も、いくらなんでも輸入が完全にストップするとは思いませんが、世界的に食糧危機が起きた場合考えられるのは「売ってもいいけど高いよ?」って状況だと思うんです。
その時に至って、はじめて「あぁ!国内で最低限自給できるくらいは作っておくべきだった!」と嘆いても遅いわけです。

農地は放置してれば荒れるだけだし、作る技術も知恵も失われていきます。

水と食料は生きていくのに最低限なくてはならないのだから、経済・産業等と同列に扱うことが難しいと思いますね。


ま、こんな議論は専門家がしているんだろうとは思いますけど、個々人が考えを表明しなければならないと思ってるから書いてます。

要するに、日本人の主食であるコメの国内生産と引き換えに得られるメリットというのがTPPから感じられない。
そもそも同列に扱うことへの疑問もある。
世界で食糧危機が起きても大丈夫と信じる人の根拠がわからない。そんな緊急事態でも自由主義経済は機能するの?それは経済システムを過信しすぎじゃないのか?と思う。

とにかく、議論してほしいしその経過を明らかにしてほしい。
単なる二項対立では何も変わらないし、始まらない。むしろ終わる。

刺激的な仲間と博多の夜


9月10・11日と福岡にて、若手の研究職?グループが西から東から集まって、勉強会を開催するということで、参加してきました。

結論から先に書くと、非常に楽しく、刺激も多く、有意義な二日間でした。


いろんな背景、職業が集まる

どんな人たちが集まっていたかというと、大学講師などしている人、再生可能エネルギービジネスに携わる人、社会保障関連ビジネスに携わる人、自分で会社やってる人、デザインやっている人、地域再生の現場を走り続ける人、自分のような地域再生を支援するコンサルなど多様なバックボーンですね。

いわゆる異業種交流会とも言えるかもしれませんが、若干趣は異なります。


初対面でどうしよう。。。プレゼンもしなきゃならんし。

初対面。緊張・・・?どんな人達?
これが自分の最初の心配事でした。
僕以外のメンバーはすでに何度かお互いに顔を合わせていることは知っていました。
でも、こういうのって入る空気難しいですよね。なので、どんな感じなんだろう??と心配していましたが、杞憂でした。
同世代であることもあって、話もしやすく、聞いているだけでも「なるほど」と思う刺激的な話がわんさか。


僕以外はすでに顔合わせして、何度か同様の勉強会はしていたということもあり、今回は僕が自己紹介も兼ねて、これまでの業務経験や今動き出していることなどを紹介させてもらいました。

持ち時間は20分だったんですが、まぁ僕がダラダラとしゃべるもんだから、あっという間に時間オーバー。。
それでも興味を持って聞いていただけたので、嬉しかったですね。
隠岐に来てみたい、という話も出てぜひ案内したいな、と。


楽しみは福岡・博多の夜

夜だけが、というわけじゃないけど、そんな刺激的な仲間と過ごせる博多の夜は楽しみにしていました。


まず、食べたことのないモツ鍋でしたが、これが美味しかった。
内臓系はあまり得意じゃないんですが、本当に美味しかった。
が、最近の傾向でやはり酒に相当弱くなってました。あまり飲めなかった。。。それが残念。

2次会は場所を変えて、ということで中洲(かな?)を歩いて行くと、路上にてウナギ釣りの露店が。
「え?なにこれ?」と軽い衝撃を覚えながらも、仲間がチャレンジして、なんと一匹釣り上げてしまいました。



釣り上げたウナギはその場で捌いて、蒲焼きにしてもらいました。
その後も3人くらい挑戦しましたが、結局釣れたのは最初のひとりだけ、ということでやっぱり難しいんだね~と納得。

その後2次会で迎賓館か何かをそのまま使った、雰囲気のいいお店で少し飲んでしめに博多ラーメンをいただきました。

ラーメンはマジでうまかったです。
というか、福岡はおいしい物多いですよね。


こうして一日目の夜は更けていきましたとさ。
帰りは同じホテルだった方と社会保障などについて少し現状などをお聞きしてお別れ。

いや、マジで楽しかったし、ようやく顔合わせができて、個人的にはほんとにほっとした一日でした。


福岡に関しては、こちらも合わせてご覧ください。

2日目前半:福岡二日目@白糸の滝(糸島市)
2日目後半:福岡二日目 後半 伊都菜彩~九大

2011-09-08

隠岐の島ものづくり学校に期待



隠岐の島ものづくり学校に関する地元調整会議に出席してきました。

この会議は昨年度から継続的に開催されていて、今回が一応最終回、という位置づけでした。


世田谷ものづくり学校からも毎回来られて、事業イメージや施設イメージなどを繰り返し説明されていたのが印象的でした。


今回の話を聞いて感じたことは、ジオパーク絡みで、ものづくり学校に入居することでいろんな可能性、展開が広がるんじゃないか、ということ。

ものづくり学校には、少しずつでも島の内外からクリエイターが入ることになると思います。
そんな方たちの中にジオパーク関連組織が入ってると、ジオパークをテーマに、いろんなアイディアが生まれてくる。そんな空想、夢が広がりました。

しかし、いかんせん現状では主体的に動ける人が不足している。。。

自分なら動ける?いやしかし・・・。

でも、ここまで隠岐の島と関わり、エコツーリズム推進からジオパーク世界候補推薦までずっと共に取り組んできて、目の前には大きなチャンスが開けるドアがあるのに、人がいないから見送る・・・?

そんなこと、もったいない。

自分にできることって??

2011-09-06

平成幸福論ノート 読了



ずいぶん前に読み終わってたんですけどね~~~^^;



日本における「幸福論」

日本という国において、「幸福」とは何かを考える時、長らく続いた自民党政権という要素と、イエ制度の名残とも言えるかもしれない、大黒柱が一家の稼ぎの大半を担う構造が大きく影響を与えていた、と本書は指摘します。


自民党はよくも悪くも利権配分機構として機能してきた結果、(中略)幾重にも折りたたまれた「箱庭王国日本」の幸福を守ることに寄与してきた。(P.20-21)


背景にあるのは、大黒柱の男性一人が一家を養うという「家族賃金モデル」(P.21)

ここで言う「箱庭王国」の表現に、とてつもない筆者の日本に対するアイロニーを感じます。
まあ、たしかに外海で大きく隔たれた島の中、国民は大きく異なる文化との直接的に向きあう機会を逸してきたことからも、「箱庭王国」とは言い得て妙かもしれません。


女性の力をどう活かすのか

どうもダラダラ書いてしまうクセのようなので、今回はスパッと気になった点をピックアップ。

この本で一番心に残ったのは、「母親たちは地域社会のサイレント・マジョリティ」(P.149)の節。

中でも、

どのような場所であっても、そこから逃げられない人間こそが、真にその場の問題の解決を願い、実質的なコストを負担せざるを得ない。したがって、母親たちの声を汲み上げられないということは、地域社会の声を聴かないことに近しい。(P.150)
という箇所です。

この点について、心情的にはすごくよくわかります。
ただ、サイレント・マジョリティというのは広く捉えれば市民のほとんどはサイレント・マジョリティと捉えることができ、そういう人達の多くは「無関心」であることもまた多いと言えます。

無関心でなくても、「あきらめ」に入っている場合もまたあり、そういう人達を巻き込んでいく、参加してもらうようにしていくことの難しさは、地域再生の現場を少しでも知る人間なら誰もが共有できる悩みではないでしょうか。

ただ、女性の力を活かす、発想を取り入れるということは必要だと思います。
生物が多様性を有するように、アイディアも多様性に富んでいる方がアクションの選択肢が増え、結果として参加する人が増えることにつながり、地域の総体として活力が高まると考えます。

それがその地域のソーシャル・キャピタルとして醸成されていくのでしょう。


おわりに

僕は最近、地域計画系の提案をする時には必ず、現状把握として、若いお母さん、働き盛りの30~40代男女へのヒアリングを入れてます。

短期的成果だけ見れば、「そんなヒアリングしても変わらないでしょ」となるのかもしれませんが、それは違う。

ヒアリングを通じて地域を客観的に見つめ直すことになります。
すると、ヒアリング対象者の中からはもしかしたら具体的なアクションを起こそう、ということにつなげていく人が出てくるかもしれません。

ヒアリング調査にそういう恣意性というのかな、誘導をするようなやり方はマズいと思いますが、ヒアリングを通じて自己と地域との関係性を客観化できる、というのはひとつの効果であり、それは将来に向けて大きな波紋を創りだすと思います。

だからこそ、若い世代へのアンケートではなく、直接対面式のヒアリングが重要だと考えます。







概要


書名 平成幸福論ノート 変容する社会と「安定志向の罠」
著者 田中理恵子(Tanaka Rieko)
出版 光文社新書(2011/03/20)


■目次
 はじめに
 第1章 日本の「幸福論」の迷走
 第2章 結婚と孤独死の間に
 第3章 「会社村」と「草食男子」の間に
 第4章 「安定志向」がリスクに転じるとき
 第5章 「昭和の鎮魂」から「つながりの再編」へ
 おわりに

走り始めました


世界陸上の影響を受けて・・・というわけでもないのですが、今月から時間がある時には少しずつでも走ろうかと思いたち、実際に走り始めました。

距離は残念ながら記録していないので、わかりませんがiPhoneアプリで大塚製薬が出している無料アプリがあったので、それを落として使ってみようかと。

今のところ1回当たりの時間は15~20分弱。

ま、最初はこんなもんでしょ、と思いながらさすがにしんどいです。

健診で運動不足を指摘され続けてはや数年。
肉のつき方もヤバさを感じてきたので、ぜひ続けてみたいと思います。

2011-09-05

日本代表に隠岐が選出

この風景は隠岐に来れば本当に見ることができます(隠岐の島町・ローソク島)


隠岐ジオパーク

2011年9月5日、日本ジオパーク委員会において、隠岐ジオパークを世界ジオパークネットワークに推薦することが決定されました。

隠岐がジオパークに取り組み始めたのは、2007~2008年頃だったと記憶しています。

隠岐では2005年頃から、観光振興のためには従来型のマスツーリズムでは他の観光地と潰し合いにしかならないことに気づいた人たちを中心として、エコツーリズムの推進に取り組んでいました。

すぐれた観光地とは、そこに暮らす人がその地域への誇りや愛着を持っているのではないか。
隠岐にも優れた資源が、海にも山にも文化にも歴史にもある。それを知ってもらい、好きになってもらい、繰り返し来てもらいたい。
その思いがエコツーリズム推進に向かわせたのではないかと思います。

エコツーリズムの取り組みを始めた時も、ジオパーク登録を目指そうと動き始めた時も、誰もここまで来れるなんて思いもしなかったんじゃないだろうか。
もちろん、中核となる人たちはそれなりに「いける」という気持ちがあったのは間違いない。


「推薦」を得た価値とは

そもそも「ジオパーク」がまだまだ知名度が低いので、国内の候補としての推薦を決めた、というニュースもさほど大きな扱いではないようです。

こういう時は、少しシチュエーションを置き換えてみるといいと思います。

せっかくなので、サッカー。ワールドカップで考えてみましょうか。

ワールドカップ出場を世界ジオパークネットワーク(GGN)登録と仮定します。
そうすると、国内候補としての「推薦」はザックジャパンに選ばれたことと同等の意義があることがわかります。

本田△や、遠藤、長谷部、ユウト・ナガトモ、香川たちがザックによって力を認められ、代表に選ばれたのと同じように、隠岐ジオパークも日本ジオパーク委員会(JGC)によって、課題はあるものの、価値を認められ日本代表として選ばれたのです。

通天橋(西ノ島)

今後に向けて

今後、12月までにGGNへの申請書を「英語」で作成しなければなりません。
また、現地視察で指摘があったジオサイトの解説板の設置も急務です。やることは山ほどあります。
さらに、連動した動きでは隠岐ジオパーク戦略会議の取り組みもあります。

僕から見た課題は、明確です。

それは前にも指摘したけど、「共感の環」をいかに広げられるか。広げることに力を注げるのか、という点です。

ぶっちゃけた話、看板設置なんて金があればできるわけです。
でも、「環を広げる」ということは多少の金ではどうにもなりません。それに、気持ちの部分が大きいので時間がかかります。
なのに、目に見えた成果としては実感しにくい。
そこをガマンして根気強くできるか、が後々ボディブローのように効いてくると思います。

この点だけは変わらず訴え続けようと思います。

何はともあれ、関係者の皆様まずはおめでとうございます。そしてお疲れ様でした。
今後に向けて、これまで以上に大変になると思いますが、方向性と意識を共有して進んでいきましょう。


こちらも合わせてご覧ください。

隠岐ジオパークの分岐点

備忘録的に書きます。


2011年9月5日、この日の夕方、隠岐ジオパークが世界ジオパークネットワーク登録の日本からの候補地として推薦されるかどうかが決まります。

8月末に日本ジオパーク委員会の現地視察があり、良い評価もあれば厳しい指摘もあったと聞きます。
推薦されるか否かは、正直判断しかねる状況です。

が、推薦されても、されなくても、隠岐ジオパークとして取り組まなければならないことはまだまだたくさんあります。

推薦の可否でその本質的な部分を見失うことは避けなければなりません。

本質的な部分とは何か。

それは、ジオパークをより多くの人に認識・理解してもらう努力を継続すること。
それは、ジオパークを管理・運営するための組織と人を育てあるいは確保すること。
それは、ジオパークの戦略を描き出すこと。
それは、ジオパークを管理・運営する組織が継続していける基盤をつくること。

つまり、隠岐ジオパークを通じて隠岐諸島がどうありたいのか、そこに至るために何をするかを考え、実行していくこと。
GGN登録は、その手段の一つでしかない(とは言え、世界的登録地という意義は大きいけれど)。

2011-09-02

隠岐でファンドレイジングをやるには・・・


赤い羽根 - 写真素材
(c) moeyan画像素材 PIXTA


昨日は、隠岐ジオパーク戦略会議として取り組むファンドレイジングについて、県庁に相談に行きました。

とりあえず、今のイメージをもう少し具体的に詰めていくことと、アウトプットをどう設定するか、アウトカムをどう設定するかといったことももう少し詰めないと。

ということを考えると、やはりチーム制で動きたいな、と思いますね。

隠岐和牛が食べられるカフェ


8月29日、隠岐ジオパーク戦略会議に出席してきました。

戦略会議の内容はキックオフMTGでもあったので、事業計画や経緯についての共有と「新しい公共」という考え方について簡単に共有する、という内容でした。


会議終了後、メンバーのお一人を五箇にお送りした際、五箇にカフェがあるということを知りました。

そのお店の名前は「ラ・カフェ・シガル」といい、「ラ・シガル」とはフランス語で「蝉」を意味するそうです。
蝉は南仏プロヴァンス地方では、幸福を呼ぶシンボルとして親しまれているとのことです。



実は数年前、ここの店長さんが和牛肥育ととともに、こういったカフェのようなお店をして、お客様に楽しんでもらいたい、といった内容でプレゼンされているのを聞いていたので、それを実現されているのを見て、すごいな!と感じました。
ひるがえって、自分は何を成してきたのか、ふと考えますよね。動き続ける人を見てると。


店内の雰囲気はとても良く、のんびりした時間を過ごせるいいお店だと感じました。
所用があり、食事はできませんでしたが、きっと美味しいのではないかな。



下の写真で敷き詰めてある石は、隠岐ジオパークの魅力のひとつである隠岐片麻岩という、国内最古の種類の岩石です。
この岩石は場合によってはガーネットが含まれていることもあり、肉眼でも赤い斑点を確認することもできるので、岩石はよくわからなくても、ワクワク感を楽しめます。


個人的には、こういったジオパーク的要素を自然と取り入れているところがいいな、と思いますし、こういったお店が隠岐ジオパークの中にどんどん増えると、自然と「ジオパーク」に対する親近感などが醸成されていくんだろうな、と感じてます。


店長さんは女性の方で、店内はオシャレでかわいい装いです。
隠岐には僕の知る限りこういった雰囲気のカフェはほとんどないので、観光客の方はもちろん、地元の方も楽しめるんじゃないかなと思ってます。



そして、このカフェの最大の魅力はきっと、自家生産している和牛を食べられる、という点にあるのではないでしょうか。
カフェのメニューで「ステーキ」「ローストビーフ」ってなかなかないですよ。
僕も食べたかった~~!!

次に行ったらぜひゆっくりと食事したいですね。