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2011-09-14

TPPねぇ。。。

TPP参加へ向う野田内閣: ニュースの社会科学的な裏側

とりあえず前原さんにならなくて、ほっとしているんですが、まあ野田さんもそうだよね、という話。

1981年には1.04ha/戸であった経営耕地面積は2009年には1.91ha/戸となっており農業の大型化は進んでいるが、さらに何倍かにする必要がある状況だ。


いや、ね?わかるよ。わかる。
言いたいことは。


要は、日本の農業はさらなる効率化を図れ、と

日本の農業は国際的な競争力を持てばいいじゃない!
もっと効率化すればいいじゃない!
農地集約すればいいじゃない!

こういうことですよね。

じゃあ、日本の農業を支えている一員である中山間地域のコメ農家はどうすれば?
集約しましょう、といってできるような地理的条件にないのですが。

百歩譲って、平地農業なら集約はできるでしょう。

それは多分、5年~10年ほどで進む話だと思ってます。
世代交代するから。

それでも、日本の農地を多少集約したところで、アメリカ、オーストラリア、フランスなどの広大な農地と比べればそれはもう狭いものですよね。

現状、農業に関して技術的イノベーションはなかなかできないのではないでしょうか。
というのも、これまでの数十年間でものすごいイノベーションが起きているから。
農業機械、化学肥料、農薬等等の開発は生産性向上に大きく寄与してきました。

技術面では、絞りきった雑巾をさらに絞るように知恵とアイディアを出すしかない状態だと考えています。

つまり、日本の農業も競争力をつけて世界で勝負、という話にはならない。


TPP参加して何のメリットが・・・?

次、TPPそのものについて。

何度か書いたけど、TPPというきわめて条件の厳しい枠組みに自ら飛び込むメリットはなに?
二国間ではダメなの?多国間じゃないとダメな理由は何?

しかも枠組みに参加していて、唯一日本から見て輸出先になりうるであろうアメリカも現状ヒーヒー言ってて、日本が参加してどこが日本の製品を積極的に買ってくれるの?
みんな日本やアメリカの市場を期待しているんじゃないの?

平成の開国って何?

経済界が主張するのはわかるんですよ。
だけど、農家を一方的に、日本経済の足かせとラベリングしてしまうのはどうだろうか。
議論してこの辺の疑問も明らかにしてほしいんだけど。
それとも、すでに答えは出てて、自分が勉強不足なだけなのか。


安全保障上の位置づけにはできないのか

農業は食料であり生きていく糧なわけで、食料保障・安全保障に位置づけたほうがいいのではないかなと思うわけです。

僕も、いくらなんでも輸入が完全にストップするとは思いませんが、世界的に食糧危機が起きた場合考えられるのは「売ってもいいけど高いよ?」って状況だと思うんです。
その時に至って、はじめて「あぁ!国内で最低限自給できるくらいは作っておくべきだった!」と嘆いても遅いわけです。

農地は放置してれば荒れるだけだし、作る技術も知恵も失われていきます。

水と食料は生きていくのに最低限なくてはならないのだから、経済・産業等と同列に扱うことが難しいと思いますね。


ま、こんな議論は専門家がしているんだろうとは思いますけど、個々人が考えを表明しなければならないと思ってるから書いてます。

要するに、日本人の主食であるコメの国内生産と引き換えに得られるメリットというのがTPPから感じられない。
そもそも同列に扱うことへの疑問もある。
世界で食糧危機が起きても大丈夫と信じる人の根拠がわからない。そんな緊急事態でも自由主義経済は機能するの?それは経済システムを過信しすぎじゃないのか?と思う。

とにかく、議論してほしいしその経過を明らかにしてほしい。
単なる二項対立では何も変わらないし、始まらない。むしろ終わる。