ページ

2012-02-29

県議会を傍聴してUstreamの活用について考えてみた


2月28日、例年であれば2月末日の今日。
人生ではじめての議会傍聴に行って来ました。

行ったのは、島根県議会本会議で11時からの岩田県議の質問について。

はじめての経験でしたので、なかなか興味深く拝聴しました。


質問内容

岩田県議は、大きくは4つの分野について質問されてました。
  1. 原発関連対策
  2. 神話博しまねを中心とした観光振興
  3. 教育分野(とくに高校生のキャリア教育)
  4. 県の林業政策

項目数で言えば観光振興についてがもっとも多かったですね。

なるほどなーと思うものもあれば、個人的には「どうなの?」と思うものもあったりして面白かったです。

ただ、議論にならない点が物足りなさを感じさせます。

議員の質問→回答者(知事や部長級)の回答→終了

というサイクルなので、ちょっとつまんない。
せめて、回答の後にもう一度議員の質問を挟めば、もう少し議会も活性化するんじゃないの?とか思っちゃった。

あと、個人的に「県もなかなかやるな!」と思ったのは、松江駅トイレに紙をフツーに設置することについて、JRと話をしたいと回答したこと。
で、この点については今日の質問聞かなければ、見過ごしてたなぁと少し反省も。

「神話博しまね」ということで、県外からわざわざ楽しみに来ていただいたお客さんが、松江駅で降り、市内へと繰り出す直前。
「一応、トイレ行っておこうか」と、松江駅トイレにはいる。
すると、トイレにはトイレットペーパーがない!?なんと、紙は外で買わないとならなかった……。

こんな悲惨な出だしだとしたら、僕ならその町への印象は一度最低ランクまで落ちますね。
実際、昨年大阪でまったく同じ経験をしましたから。幸い、ポケットティッシュがあったから良かったものの、なければ「あ~!!さいあく!」と心の中で叫んでいたこと請け合い。

これは本当に何とかしてほしい。


Ustreamについて

岩田県議は観光振興の質問の中でUstreamの活用について県の考えを聞いてました。
それからもわかるように、Ustreamは新しい情報発信ツールとして大きな期待が寄せられています。

ただ、僕はこの点については実は懐疑的に見てます。

もちろん、これは僕の中でUstreamに関するバラ色なビジョンが描けてないだけで、メディア側にいたことがある岩田県議だから見えてるビジョンがあるのかもしれませんが。

なぜ懐疑的に見ているのか。

それは、「ターゲット」の問題とメディアとしての「ブランディング」にあります。


ターゲット

それではまずターゲットの話から。

今Ustreamに寄せられている期待は、地方でもアマチュアでも誰でも「世界に向けて動画配信がタダで出来る」ということだと認識しています。
ここが僕の中で違ってくるんですね。
次の「ブランディング」にも関係しますが、地方のアマチュアが流している動画によって観光客に「行ってみよう」と思わせる力はない、と考えます。

要するにターゲッティングが間違ってると思います。

むしろ、ソーシャルメディアの1つとして位置づけられているように、ある程度“つながり”のある者同士での盛り上がりを創りだしたり、一度はその地方を訪れたことがある人たちをコミュニティとしてくくった後に、地元とオンライン上のコミュニティとを結びつける、交流するツールとして有効なんだろうと思います。

隠岐ジオパーク戦略会議で提案しているのは、後者の使い方。


ブランディング

次にブランディングですが、「地方のアマチュア」が流す番組でも、かなり閲覧されてるじゃないか、という話はあると思います。
岩田県議が示した事例でも「うんなんシティTV」さんだと5000くらい行ったらしい。


いや、これはすごいですよ。
でも、この場合「アマチュア」というより「セミプロ」ではないのかな?と思ったりします。

何が言いたいかというと、本物の素人アマチュアだけでは、番組としての面白さや構成を組み立てることは難しいということです。

動画配信という、これまでマスコミが囲い込んできたパワーを手にしたことで、その可能性には心躍りますが、活用できる力がまだないのではないか、と。

見てても、内輪ネタに走る番組が多いのはその最たる例かと思います。視聴者を置いていくんですよね。
それでもって「世界へ向けた発信」とは言えないと思うんですよ。



プロボノの活用

ファンドレイジングの関係でかなり聞いた言葉「プロボノ」。
Ustreamで全方位的に発信したい地域、団体はプロボノの活用を検討するといいかもしれないですね。
いろいろなプロフェッショナルに、ボランティアで専門スキルを提供してもらう、というものです。

なので、番組制作経験者や構成作家さんなどをプロボノとして、団体が伝えたい事をうまく構成・演出してもらい、出演は当事者で、生の声で発信する。
進行管理はプロボノに任せる、といったようなことができれば、魅力ある番組にできるんじゃないかなぁ。

その辺が、岩田県議の中でどう整理されているんだろうな、とは思う。
そもそもマスコミの中にいた方なので、自然と番組作りのビジョンが描かれているのかもしれないですね。

個人的には、やはり当面はゆるいネットワークの中の交流、という割り切った位置づけがいいのかなぁと思ってます。
来てくれた方、関心を持ってくれている方を大事にする、という意味でも、流す情報の室を見定めるという意味でも欲ばり過ぎるとわけわかんなくなっちゃいますので。
欲ばり過ぎるという点は自戒も込めて。。。

2012-02-20

ゼニと笑みのバランスシート

NHKの『プロフェッショナル』、梅原真氏の回を見た後、風呂に入りながら考えていたこと。

もうアイディアとしてはおおやけに出して没になったから一応書き記しておこうかなと思う。


梅原さんの仕事ぶりは、日経BPだったか日経ビジネスオンラインだったかで10回近い連載記事を昨年か一昨年、たまたま目にしたのが最初。
そのスタンス、考え方に共感してシリーズを一気に読み切り、本も買ってみた。

産業振興、というところと僕の立ち位置とは、若干違うんだけど、パートナーの志や熱意に共感し合い、気持ちを高めあいながら、アイディアを出していく、というのは恐れ多くも似てるなと感じる。
能力の差は歴然としてるんだけどね。。。


さらに何に共感したのかというと、梅原さんの根本になるんだろうか。
地方の風景を残すという意識。

条件不利地域だの何だのと言われながらも、そこに暮らす人たちが楽しくなるような、自信を持てるような、笑顔が咲くような、そんな風景を次の世代に残したい、と僕は思う。


この「楽しい」とか「自信を持てる」とか「笑顔が咲く」といったコンセプト、視点をM市の総合振興計画のプロポーザルに盛り込んだんです。
具体的には、「幸福度」のような指標化を今後の市政に盛り込むべきである、と。

なぜなら、「幸福度」という観点は、大都市東京の荒川区やマーケティング上、日本の縮図と言われてる静岡県のような場所ではなく、日本海側の一地方都市であるM市でこそ旗手として掲げるべきであると考えたから。

もちろん、この「幸福度」指標化には課題がたくさんあることは承知しています。していますが、今、時代が変わりつつある潮目がハッキリしているのに、それを見過ごして、従来通りの「経済指標」や「産業振興」を謳ってればいいのか?という疑問に対して、僕ははっきり「ノー」という答えが出てしまう。
それらが大事じゃない、とは言わないけれど、それらを追い求めて来て、ふと「これがベストだったのか?」と立ち止まってるのが今でしょう、と。

結果的には、プロポには負けました。
自分のプレゼンテーションが悪かったのかもしれないけど、ショックでしたね。


一応、ここに書いておきますけど、島根県の総合計画にも盛り込むべきであると考えてます。
いきなり盛り込むのが難しければ、せめて指標化の検討、研究会立ち上げなどしておくべきではないかと思います。

だって、どんな政治であろうと住民・市民が「幸せに暮らす」環境を整えていくことが目的でしょう?
そのために産業振興があり、企業誘致があり、起業促進があり、UIターン促進があり、医療・保健・福祉の充実化があり、子育て支援があるわけです。
それらの究極的な目的は、誰もが「幸せ」を感じられる社会でしょう。


はぁ。ニケ並にくさすぎてギップルを召喚してしまいそうですが、いきおいでポスティング。


※ギップルとは

マンガ『魔方陣グルグル』の登場人物で、ニケとククリに同行する、風の精霊。外見はかわいくも見えるが、ふんどしの上にマントを着用しているのみ。着ているマントは伸ばせばテントになり、野宿に便利(※上を見あげれば褌が丸見え)。クサイせりふを極度に嫌い、聞き続けると死亡するらしい。

2012-02-17

ひとの「つながり」の創出と強化が地方が目指すべき方向

地域再生を仕事にしながら感じていることは、地域においては何よりも「ひと」の存在が重要である、ということです。
それは以前にもこのブログで書いてきたことです。

2011.06.15|Styles: 最後は”ひと”

2012.01.29|Styles: 地域の本質は「ひと」だと思う

さらに、この「ひと」という点に着目して、都市(東京)と地方との格差を認め、重要である「ひと」が集まっている東京の力はすごいよね、ということを書いた。

2012.02.07|Styles: 東京いいね


東京すごいよねと書きつつも、じゃあ地方どうするの?と考えていたんだけど、ふとアイディアレベルですが、つながったので書きなぐってみる。


つながったキーワードをあげておくと「ソーシャル・キャピタル」と「ファンドレイジング」。


NPOセクターの優位性:ソーシャル・キャピタル

地方には、地方再生の最前線には本当に魅力的な人、精力的な人がいます。
だけど、絶対数で言えばやはり東京に人材が多く集まってるんですよね。そこは僕は否定できない。
考えるベクトルが違う、とかはあり得ても能力的には否定できないです。

ただ、これまでに書いてきたことで欠けていた視点があったな、とも気づきました。
それは、「ひと」が集団として組織として動くときの力であり、動くための基礎的な力。

この力はソーシャル・キャピタルと読み替えることができると思います。

「信頼」や「ネットワーク」、「互酬性」といったもので構成されるソーシャル・キャピタルは、都市部の経済組織よりも、NPOセクター、地方における公益的組織の方が醸成されているのではないか、と考えています。

経済組織の強みは、端的に言えば投資に対するリターンをいかに効率化・最大化するか、という点について洗練されているところだろうと思います。
まあ、必ずしもそうとは言えない面もありますけど、一般的に言ってそうだろうなと思う。

対するNPOセクターの強みは、「つながり」を生み出し、拡大させていくことを目的としている点だと思います。
もちろん、投資に対するリターンの効率化や最大化という点においても、つながりの拡大という目的に対してもまだ十分な成果を出し切れていないNPOセクターが大半であろうというのもまた否定できないですが。

NPOセクターの強みである「つながり」の創出と拡大、強化は、おそらく2015年から2020年くらいまでを目途に大きくスポットライトを浴びてくるような気がします。
神田昌典さん(『2022―これから10年、活躍できる人の条件』)や竹井義昭さん(『社会貢献でメシを食う』)の本を読んでいても、だいたいこのあたりで、日本社会のシステム上大きな変革が起きそうだ、ということが示唆されています。

そして、その先にある社会は、懐古的な「つながり」ともまた違う、新しい形での「つながり」の上に成り立つ社会である、と僕は予測しています。

それまでに、地域やNPOセクターにおいていかに自分たちの価値観、理念、目的を共有し、さらに共感してくれる仲間を増やせるか、ソーシャル・キャピタルを醸成できるか、が自力をつけて「その時」に対処できるか否かをわけるのではないか、と考えます。


共感を広げるファンドレイジング

ソーシャル・キャピタル(SC)の醸成については、修士論文を書くときのテーマとしたので今でも気になって考えることがあります。
SCは醸成はできる。しかし、どうすれば良好なSCを醸成できるのかという点については十分に検討できないまま、次のような点を提案しつつ筆を終えたんです。


  • 地域内における「共食」機会を持つ。あるいは増やす


これについて参考になるのは宮崎県えびの市の「モエ(もやい)」という講の一種で、モエでは月に1回から2ヶ月に1回程度、モエの会員同士の食事機会を設け、そこで悩みの共有やグチを言い合うなどメンタルの支え合いなどが行われています。

残念ながら、修論の時点ではこれくらいまでしか書けませんでした。

しかし、最近ふと気になったのは、NPOセクターにおいて、マーケティングの考え方を応用したファンドレイジングの導入が進んでいる点です。

ファンドレイジングとは狭義には「寄付金集め」ですが、これは解釈があまりに小さい。

もっと本質的には、自分たちの価値観や理念をわかりやすく伝え、「共感」を得ることであると考えます。

つまり、NPOセクターにおいて「ファンドレイジング」の各種手法を用いて「共感」を集め拡大する。それがNPOセクターを中心としたSCの醸成になるんじゃないのか、と。

ものすごく粗い考え方だとは思いますが、この

ファンドレイジング→共感を得る→SC醸成

の流れの中のメカニズムをもっと理解できれば、単にNPOセクターの組織力、継続力アップだけじゃなく、さまざまな公益的組織でもSC醸成ができるのではないかと思います。
そのNPOに適したSCが醸成できれば、「その時」を迎えるとき、ブレることなく進むべき方向に進むことができる、と思いませんか?


おわりに

やっぱりこのへんは自分でもう少し検討したいな。
お世話になってる先生方にまた意見もらいながら、自分なりに勉強してみよう♪

以前アップしてたものは文字化け等あったので、再アップ。
修論発表会で用いたスライドです。
もし興味があれば、ご覧下さい。
地域の「共食」度合いをSCの構成要素とみなしてモデル化できないか?というものですが、うまくいってるわけではないです。。。







社会貢献でメシを食う
竹井 善昭 / ダイヤモンド社 ( 2010-09-10 )



2012-02-08

認定NPO法人とファンドレイザー

平成23年度は、寄付税制が改革され、NPO法も改正されたことで、認定NPO法人へのハードルが下がり、国内における寄付文化醸成にも大きな弾みがついた一年であり、さらに社会が変わる可能性を秘めた次の一年になると思います。

とくに、認定NPO法人の仮認定制度の運用開始は、大きな影響があると考えています。

メリット、デメリット両面ね。

メリットは、もちろん仮認定を受けることで実力のあるNPOが寄付を集めやすくなる環境を一応整えることができる点。
これはPSTのハードルの高さもあって、かなり大きなメリットになるのだろうと思います。

一方でデメリットとして考えられるのが、「認定NPO法人」のバーゲンセールのような状況にならないか?という心配。
杞憂に終わればいいのですが、バーゲンセール状態で考えられるのが次の点。


先行者利益

ひとつは、先行者利益。
現在、国内に40,000余りのNPO法人が設立されており、そのうち「認定NPO法人」となっているのは250弱という状況。
パーセンテージにして、1%にも満たないですね。
これが、今年の4月1日からは「仮認定制度」がスタートするので、割合としてはかなり高くなることが推測されるし、期待もされてると思います。

たぶん、ですが。
この先行者利益は大きいように思います。「先行者利益」というとちょっといや~な響きがあるかもしれませんが、「認定」の信頼度を活かして幅広くファンドレイズしようと思えば、これは大きいんじゃないかなぁ、と思います。

ということは、大きいぶん、後発組はそのメリットを十分に享受できるかどうかは微妙かな。
そこがファンドレイザーの腕の見せどころになるかもしれませんね。

あと、先行者利益以上に、寄付市場が活性化されてそんなもの気にする必要もないくらいになることが理想だとは思いますけどね。


プレミア感の相対的な低下

先行者利益に対する後発組の弱さ、という意味と重なる点もありますが、「認定NPO法人」が少ないから、「認定」に対するある種のプレミア感がある、というのが現状のような気がします。
どこまで企業セクターに浸透してるかは不明ですが。

それが、仮とはいえ認定が多産されることで、プレミア感が相対的に消失してしまわないかな、という懸念です。
消失または低下すれば、どうしても先に認定を取っていたNPOに支援が集まりやすくなるような気がしますが、どうなんでしょうね。


対抗策としてのファンドレイザー

上でも書きましたけど、状況はどうなっても日本国内の寄付市場はきっと活性化していきます。
自分で書いて矛盾しますけど、「先行者利益」も「プレミア感の消失」も、ファンドレイザーのアイディアと実践ひとつで何とかなるんじゃないかな、と感じてます。

それくらいファンドレイザーに対する期待を自分の中では強くしています。

NPOが活動を続けていくのに欠かすことのできない存在、それがファンドレイザーとなるのではないか。
研修やセッションを聞いて感じたことのひとつに、ファンドレイザーはNPOの財務部門を統括することも期待されてるのかな。企業で言えばCFO(最高財務責任者)のような役割になるのかも。

東京で食べたものシリーズ

東京で食べたものでも記録しておくか、ということで写真があるものだけ。


2月3日の昼は、国連大学の近くにあった地下のお店でいただきました。
ヤマイモのかき揚げ、という初物。

なかなか美味しかったけど、小分けにして揚げてくれてたほうが個人的には好みかな。
アップにすると↓な感じ。



4日の夜は、ファンドレイジング日本2012の懇親会に途中まで出席し、19時30分からは仲間との打ち合わせがあるため、赤坂へ移動。
その写真はありません(笑)

が、この打ち合わせ兼飲み会も楽しかったなー。


その後、ホテルが新橋だったので戻ると少しお腹が減ったのでラーメンをいただきました。
美味かった。



5日のお昼は、日本財団ビルの向かいのお店でいただきました。
ボロネーゼ。
あまり腹は減ってなかったけど、量的には少し足りなかったかも。。




ホテルで気になったコト。
Facebookでもアップしたような気がしますが、見せ方というか空間演出というか。
この下の写真の白い袋に何が入ってるでしょう?

答えはドライヤーです。


たかがドライヤー。されどドライヤー。
あの、コードぐるぐる巻き状態がそのままポンと置かれているか、おそらくは安いであろうこの白い袋に収められているかで、受ける印象は大きく違います。

たぶん、わずかな気遣いの差だと思うんですが、個人的には「あ、いいな!」と感じたヒトコマです。

いろんな宿泊施設で簡単に応用できそうな気がしますが、どんなものでしょうか。

ソーシャルメディアをどう活用するか


認定ファンドレイザー必修研修があった2月3日の夜、日程がたまたま合ったので渋谷で開催されたソーシャルメディアに関する勉強会にも参加させてもらいました。

そうそう東京に出てくる機会もないので、日程が合う以上でないわけにいかないでしょー、という気持ちで参加しました。

おもしろかったですねー。刺激的な人がたくさんいて面白い。


まぁ、何が面白いって、島根から行った僕と、19から?アメリカに行って今はたまたま日本にいる、という方と「島根」、「隠岐」のキーワードでつながったということ。

驚きですね、はい。

一口にソーシャルメディアと言ってもいろんな利用法があり、いろんな視点から可能性が探られているんだなと感じました。


もう一つ、違う意味で刺激を受けたのは、比較的初対面の方が多いと思われる場面でも、どんどん「じゃあ、私も」と次々に情報提供の手が挙がるという場面。

どなたかが仰っていましたが、このように手を挙げられる、声を出せるという点で「強い」のかもしれません。
地域振興・再生でも、声にならない声、表面化しないけどいつも何かを考えている人の考えを、どうやって吸収するかが大事なので、この指摘は案外重要だろうと思います。


個人的には、ソーシャルメディアはファンドレイザーにとっては重要なツールとなり得るということと、もっと根本的に、ネット投票とかそういうことではない意味での社会システムを変える可能性はあるなぁ、と感じてますが、もう少しその意味合いを理解したいのでとりあえず下の本を買って読んでみようかと思ってます。

「統治」を創造する 新しい公共/オープンガバメント/リーク社会



あと、この三日間で悔いがあるとしたら、出発前にしっかり確認したはずなのに、見事に名刺を持っていくのをど忘れしたこと。

予備もあったけど、予備をいれた手帳を紛失したので、もうどうにもならない状態でした。

これでせっかくお会いしたたくさんの方に失礼せざるを得なかったのは残念でした。
あまり期待しない場合には忘れずに持って行き、期待していると忘れるというマーフィーの法則的な結末にうなだれております。。。

2012-02-07

ファンドレイジングの真髄に触れた三日間

3日の会場は国連大学

2012年2月3日から5日までの3日間、ファンドレイズというものにガッツリ入り込んできました。

2月2日の夜行「サンライズ出雲」で東京に向かい、3日は認定ファンドレイザー必修研修を受講、4日、5日はファンドレイジング日本2012への参加。

いっこ前のポストでも書いたけど、活気がすごかったです、東京ナイス。

ひとが資源、という趣旨のポストはこれまでに何度か書いてきましたが、東京でもそれは変わらない。


ファンドレイザー必修研修


2月3日、丸一日かけて研修で、300人ほどが参加されたようです。

まずはじめに、正直に言っておきます。さすがに、最終盤は疲れましたので、聞き逃しもありそうです。
しかも、疲れからか会場に手帳を忘れて帰る始末(苦笑ものですよ)

研修は、講師である鵜尾さんからも説明がありましたが、ファンドレイジングの「全体」を関連付けて説明するもので、「全部」を説明するものではありませんでした。
ファンドレイジングの「全体」を聞いた今思えば、「全部」をたった一日で伝えることはムリですね。

ということで、肝となる考え方、思想、理論から具体的な手法、ソーシャルメディアの活用などまで多様なテーマで解説がありました。

一昨年でしょうか、島根県で開催されたNPO活動推進大会で鵜尾さんの講演をはじめて聞き、ファンドレイジングの可能性を強く感じ、「共感を得る」という思想に共感し、何とかして自分もそこに関わりたいと思いながら仕事をしてきて、今回こういった形で一歩前に進めたことは非常に大きな意味を持つと感じています。

そして、鵜尾さんの講演のおもしろさ、飽きさせない話術、盛り上げ方はスゴイ。


ファンドレイジング日本2012

オープニング直前(2012.02.04)

4日、5日はファンドレイジング日本2012でした。
二日間にわたり700人が参加し、100人がなおキャンセル待ちだったというこのイベントに参加し、僕の中でも「あぁ、たしかに日本の中に寄付が成立していくのだな」という実感がさらにわきました。

ちなみに、2010年の大会では参加者400人、2011年大会では500人と着実に増えて、今回は700人ですからねぇ。
3.11があったということが大きな影響を与えているとはいえ、ファンドレイジングというものに対する意識が醸成されてきているんでしょうね。

2日間で30近いセッションが繰り広げられていましたが、いずれも興味深い内容でどれに参加しようか迷いに迷いましたが、参加したセッションはどれも面白い内容で満足です。

特に印象深いセッションは、初日だと加賀屋克美さんでしょうか。

ディズニーめっちゃ好きなんやなぁというどうでもいい印象とともに、ネット上では有名なエピソードも加賀屋さんの口から聞くことで、それがどれだけ深い意味を持っているかがよく伝わり、うかつにも目から汗が出る事態に。

二日目だと、Just Giving Japanの佐藤大吾さんと多田千尋さん。


Just Giving は以前知人から「ファンドレイジングといえば、こんなサイトがありますよ」と教えてもらっていたので概要は知っていたつもりでしたが、佐藤さんから直接いろんな話しを聞くことで、これものすごい仕掛けじゃないの?と、改めてその可能性を認識しました。

佐藤さんの印象的な言葉。
・ひとりに頼めるモノゴトは一個まで
・だったら寄付を頼まずファンドレイザーになってもらうことを頼むべき
多田さんは東京おもちゃ美術館の館長さんらしいけど、いやはやなんとも。
木育というアクションはすごくおもしろいなと感じました。
あれって、島根でもできる手法だし、やるべきだなと思いながら話を聞いてました。
多田さんのお話でも若干目から汗が……。

壇上の右側お二人は島根県から参加された方です


ファンドレイザーに向けて

僕自身2度ほど目から汗が出たように、ファンドレイジングに「共感」は重要なんだと思います。
それは必ずしも明確な「感動」である必要はないですけど、何か行動に結びつけるためには強い共感が必要ですね。

もうひとつ、今回のセッション中で共感した部分は、「寄付をお願いすることはかっこ悪いと思ってた」という話、でもそれは違うんだと気づいたという話。

これははじめて鵜尾さんの話を聞いてからずーっと考えてきたことで、自分の中での結論と今回のセッションで示された一つの結論が結びついて、「うん。そうか」とひとりで納得していました。

それはちょっと傲慢に見えるかもしれないけど。

まず前提として、多くの人は何らかの形で社会に関わりたい、できれば貢献したいと思っている。
しかし、日常的には仕事や家事・育児など忙しいこともあり、そうそう関わることはできない状況がある。
その対極に、地域課題を解決するためのNPOが存在しているが、慢性的に財政不安、人材不足である。
そうであるなら、NPOに寄付することは間接的に社会に関わることになり、NPOである以上、自分たちの活動を説明し、共感を得る努力をし、寄付を集めることはある意味で責務である、ということ。

つまり、寄付を呼びかけることで社会にかかわる機会を提供するということ。

そして、その間を取り持つことで寄付や共感を集めることができるのがファンドレイザーであるということだと理解しています。

僕の進むべき方向性が見えた気がした三日間でした。


最後にどうしてもひとつ。
司会を努められた山元香里さん、めっちゃキレイでした!!


東京いいね

今日タイムライン見てて流れてきた情報にちょっとモヤモヤしてるので、自分なりに整理したい。

その情報とは、こんな趣旨のもの。

東京での通勤ラッシュの写真とともに、ネガティブなコメント

気持ちとしてわからないわけではないけど、違うんじゃないのかなと。

自分も人が多いところは苦手だし、行列に並んで待つことも、渋滞も嫌いだけど、だから否定したいかというとそうでもない。
苦手なところは多いけど、東京はやっぱり行けば楽しいし、好きな都市です。

なんというか、2月3日の朝東京についてまさに通勤ラッシュっぽい時間帯に電車に乗ったけど、ゲンナリ、というよりも活気がすごいな!というのが正直な感想。

それに、あれだけ人がいればいろんな刺激的な人もいるわけで、ネットワークの発達で情報格差が縮まったのかもしれないけど、最終的におもしろいのは「ひと」ということはどこに住んでてもわかること。
その「ひと」が多く集まるのは東京、ということでそういう面での格差は感じました。

地方にないものを東京は持ってるし、東京にないものを地方は持ってるってこと以上も以下もないと思うので、冒頭のタイムラインに違和感を感じた次第。

2012-02-02

『地域再生の罠』読了


久繁哲之介氏の『地域再生の罠』を読み終わった。

前著の『日本版スローシティ』は読み終えた後、少々がっかりしてしまいましたが、こちらはなかなかいいです。
特に後半は共感できる部分も多く、僕なら氏の本では圧倒的にこちらを推薦しますね。

ただ、『地域再生の罠』というタイトルはどうだろう。
個人的にイマイチだった前半部分が「罠」に該当する内容なんだけど、面白いのは後半だからなぁ。


前半から中盤にかけてはこれまでに2回にわけて書いてきたので、今日は後半について書きます。




7章 B級グルメからスローフード

7章はB級グルメからスローフードへ、ということで久留米を事例として、本質的なB級グルメを目指すべきであるとしています。
本質的な部分は理解しましたが、正直、今のB級グルメについては個人的に懐疑的なので、B級グルメという言葉を用いないほうがいいような気がした。

スローフードへ、という仕掛け方としてひとつ提案されているのが、「食の八十八箇所巡礼の旅」です。
これは面白いなと思うと同時に、あるアイディアをふと思い出しました。

以前、隠岐でWSをやった時、地域の方から、集落まるごとカフェみたいなアイディアが出てきて、「それおもしろいですね!」とワクワクしたことがありました。
実現はできてませんが、人を巡ってほしい、各家のお漬物やちょっとした煮物とお茶やコーヒーが出ててき、おっつぁんらと話をして、面白い話を聞かせてもらう。
これはおもしろいぞ、と。

そんなアイディアを思い出し、似た方向性だなと感じた。
この仕組みの真価はほかにある。それは、お遍路巡りと同じように、巡る過程の楽しさであり、達成した時の充実感である。(P.216)

本書では、久留米ではやきとり屋が、松江ではコーヒー店が、「市民に愛される個性豊かなスローフード飲食店」と位置づけています。

松江はお茶の街であり、コーヒーの街でもある、「香り/薫り」が似合う街なのかも。


8章 スポーツクラブ

8章は省略したい。松江なら、というか島根全体としてスサノオマジックの存在を今後どう支えられるか、そして活かせるかだと思う。

戦略的赤字施設というのは、うん。わかるけど、難しそうだなぁとか思ったり。


9章 公益空間をどう整備するかという問題

最後の章である9章では、公的支援のあり方を示しています。
それは、公益空間への投資に集中せよ、というもの。

ところで、この公益空間。
大田市だとどこなんだろう、と読みながら考えてた。
ふと思いついたのは三瓶山だけど、気楽に、気を使うことなく行ける、滞在できるという意味では少し違うかもしれないな。

やっぱり駅前か?と考え、パル??これもいい線行ってるけどちょっと違う気がする。あくまでも気を遣わずに買い物ができる場、というイメージだ。

と、ここで思いついたのは、倒産したサンノアがもし再建する、あるいは別の方向性で出直すとしたら、橋南地域の人たちが気軽に集い、交流できる「公益空間」としての方向性はありなんじゃないかなぁということ。

そして、考え方としてはあくまでも「戦略的赤字施設」として、ギリギリ許容される赤字ラインを決めておく。
サンノアに交流しに来た人が、近くの肉屋やケーキ屋、食料品店などに少し足を伸ばすことになる?でも足がキビシイか。交通はまた別で用意するか?

隠岐だとどこでしょう?僕はやはり、西郷港ターミナルにそれを期待したいんですけどねえ。
なかなかそうならないですね。
木張りの床で目の前は西郷湾できれいで良好な景観なのに、そうならない。
なぜか。ゆっくりしてもいいんだ、という雰囲気もそうしたいと思わせる雰囲気もないんですよね。
隠岐牛バーガー売ってるコーナーはあるけど、おいしいコーヒーが飲めるとか紅茶が飲めるとかそんなコーナーがないからあくまでもファストなんだろうな、と思います。
あの空間の利用法は、ちょっともったいない気がする。


えー。このようなことを考えることができたのは本書が後半に入ってからエッジが効いてきたからだと思います。

『日本版スローシティ』か『地域再生の罠』か、と聞かれれば迷わず、『地域再生の罠』がオススメですよ、とお答えしましょう。





2012-02-01

セルフブランディング

ブランド化、セルフプロデュース、セルフプロモーション……。

自分の売り出し方、PRの方法はTwitterやFacebookあるいはTumblrなどが普及して発信しやすくなっているなーと思う。

けど、自分はそういうのがちょっと苦手な部類……。

なので情報の発信が上手な人を見ると「あぁ、すごいな」と素直に感心すると同時に、悔しさみたいなものもちょっとあったりする。

なんでこの人はこんなに親しみのある文章が書けるの??
なんでこんなにたくさん情報が出せるの?


ま、問題意識や現場レベルでどれくらい動いているかの差もあるのかなぁ。

ぼくが考えた最強のセルフブランディング。

1.ブログでハイクオリティなポスト連発
2.でもたまに力の抜けたポストも投げる
3.Facebookでやり取りする
4.そのうちTumblrにもポストする
5.ウマー


……これは、ないな(笑)

日々、それなりのことを引き続きポストして参りまーす。

他の人と比べたらダメだ。比べたら勝ち負け考えちゃうから。

昼ごはんにサラダをつけた

普段の昼ごはんはたいていコンビニ弁当なんですが、忙しかったり買いに行くのがめんどくさかったりする時は、まぁないならないでいいや、と食べないことも割りとあります。

そんな僕ですが、最近はコンビニ弁当を買う時に、サラダも一緒に買って食べるように心がけてます。

理由は二つあって、ひとつは健康管理につながるかな~といった軽い気持ち。たいして期待もしていない。
ふたつめは、ごまドレッシングがうまくて、サラダもありだなぁと感じたから。

今まではなんか金払ってまでコンビニでサラダ買うのもなぁ。。。みたいな感覚だったのが、ふとなくなったのです。

てことで、今日もファミマで弁当+海藻サラダでした!
ごっそ~さん!

大田の駅通りを歩いた1時間

小学校の帰り道 よくこの路地を通った

ちょっと前、昨年12月後半、ちょっと実家に帰ったときに、ふと大田の駅通りを通ってみようと思いたち、パルに車を停めてサンノアまで往復を歩いてみました。

小学校、中学校、高校と都合12年間、駅通りを歩いたり自転車で通ったりして、ある程度店が閉まっていることも記憶にはあったのですが、うーん……ここまで閉まってるのか、と改めて確認した1時間ほどでした。

駅通りを歩く

この店はやってるのかもしれません。
が、外観がちょっと……って感じです。


別の店舗ですが、シャッターは閉まってます。
けっこう多かったですが、同級生のご両親が営まれているお寿司屋さんはまだ健在で妙な安心感を覚えたりも。


ちょっと意外だったのは夜のお店(怪しい店じゃないよ)が思ったより多かったこと。
何気に新しそうな看板も出てたりして、そういう元気はまだありそうだなと。


喜多八幡宮の参道。
子どもの頃は「北八幡宮」だと思ってたので、真実を知った時はそれは驚いたものです。喜多八幡宮の近くには仲のいいヤツの家があったり、ルーテルがあったりしてけっこう遊びに行きました。

そうそう。喜多八幡宮で忘れられない思い出は、ここにあったブランコで頭をかち割ったこと。
保育園の頃の出来事で、未だに縫った後はハゲてます(苦笑)


大正会館がまだやってるとか、マジでビビった。老舗じゃねーか!
キャロットも健在で安心。
外で食べたお好み焼きはキャロットがはじめてだったので、感動した!


ハイ来た。昭和堂書店。大田小児童、一中生徒ご用達?
よく立ち読みしたなぁ。マンガもたくさん買った。当時は『ダイの大冒険』や『SLAMDUNK』、『幽☆遊☆白書』だったかなぁ。懐かしいなぁ。


三瓶川まで来たところ。
小学校の頃は理科の授業で三瓶川入って遊んだなぁ。
友達と三瓶川で釣りしたけど、ヘタクソなんでほとんど釣れなかったのもいい思い出です。
なお、正面の白い建物は大田高校校舎。


三瓶川をわたって100mくらい行ったところかな。
ここまでの写真を振り返って見て気づいた、というか思い出したけど、車の通りがめっちゃ少ないな。
もちろん、歩いている人なんてほとんど見かけなかった。

倒産したサンノアも見てきたけど、寂しかったなぁ。


帰りはちょっと違うルート


帰りは途中から違うルートに入ってみました。
これは真っ直ぐ行くとイクエイがある通り。写真右奥に見える高い建物はスカイホテルというビジネスホテル。前を通ると意外に車は停まってるのでお客さんは入ってるのかも。


冒頭の写真です。
小学校のころ、よくこの路地や他の路地をグルグル歩いて帰りました。缶蹴りしたり、石蹴りしたり。


終わりに

全体的に、懐かしさと寂しさを同時に味わった1時間でした。
あとは何と言っても、ここが自分のルーツであり、もうひとつの原風景であるという確認でしたね。

駅通りの様子も、三瓶川も三瓶山も遊んだ思い出、道に迷って泣いた思い出などなどたくさんあるんだなーと。
普段は思い出すことも少ないし、思い出そうと思っても記憶の引き出しから引っ張り出すことさえできないけど、歩いてみるとパーッと心がタイムスリップするように思い出せました。

だからこそ、いつかは大田に何か返せたらいいなとは思ってる。