だんだん、だんだん夏が近づいていますね!
梅雨入りしたはずなのに、快晴が続いています。暑くなってきてます。
会社で僕がいる部屋は環境があまり良いとは言えなくて、夏は熱くて(誤字ではありません)、冬は寒いという環境。
それが自然と共に生きることだと言われれば反論のしようがないのですが、とにかく夏と冬は辛い環境です(笑)
1.「農業」に対するイメージ
ところで、自然と共に生きるとはどういうことなんでしょうね。
具体的にイメージしやすいのは、サラリーマン的生活ではなく、やはり第一次産業従事者の暮らしですよね。
特に農業は、その風景も含めてみると日本の原風景とも言えると思います。
この農業という産業は、日本経済界からみるといつも「経済発展の足をひっぱる」と思われてるのではないか、そんな風に見えます。
農業が過剰に保護されているから競争力が弱く、輸入農産物に負けるんだ、という話も聞きますよね。
また、農業はまだまだ非効率的だ、構造改革が必要だ、という話もまたよく聞きます。
でも、これって本当なんでしょうか??
(c) mkm|写真素材 PIXTA
2.効率と有機栽培
まず過剰に保護されている、という指摘については、前回アップした記事にグラフを掲載したとおり、日本は農産物に対する関税がEUよりは高いけどアメリカよりは低い、ということがわかります。
つまり、日本の農家は過剰に保護なんてされてない、ということです。
ヨーロッパでは農家に対する支援がもっと充実している、という話も聞きます。
次に、農業が非効率的で構造改革が必要だ、という指摘についてはどうでしょうか。
「農業って非効率的ですよね~」と、その辺歩いている農家さんに言ってみれば明らかですが、これまでに農業関係者の努力によって、農業関連畑は技術革新を繰り返してきています。
農機具しかり、農薬しかり、化学肥料しかり。
こういった技術革新を重ねて収量を飛躍的に伸ばしてきているのが今の農業です。
農薬や化学肥料に関しては昨今、有機栽培への注目が高まるにつれて疑問を感じる人も増えているようですが、そこはまだ難しい問題があるようです。
田んぼというのは、たいてい何枚も連なって整形されてます。となりの田んぼとうちの田んぼを仕切るものは畦だけ、ということも普通です。
そんな密接した状況の中で、とある人が急に「農薬やめた」と言い出したらどうなるでしょう。
農薬をやめれば当然害虫が付き、稲は被害を受けます。
その被害も、やめた当人は覚悟のうえだから問題ないでしょうが、畦ひとつで隔てられたとなりの田んぼの所有者はどうすればいいのでしょうか。
害虫が「となりの田んぼは他所の人の田んぼだから遠慮しておこう」なんて殊勝なことを考えるでしょうか。
ここが難しいんです。
有機栽培に反対、というわけではないんです。
やるんだったら、まとまった農地を一体的にやらなければ、農薬を使って効率的に収穫したい、という農家さんの迷惑になるんですね。
こんな状況なのに、農業に対して一律的に「非効率」、「構造改革」といったラベリングをして、“遅れた産業”とういイメージを植え付けることは許されないですよ。
3.平地と中山間地域
そもそも、日本で農業を考えると、二つに分けて考える必要がある、と考えています。
ひとつは、平地農業でもうひとつが中山間地域での農業。
平地であれば農地の集約も比較的容易だと思います。
集約して一枚あたりの面積が大きくなれば機械を使用してコストは圧縮できるでしょう。
しかし中山間地域では農地の集約そのものが困難極まりない。
農地1枚の面積が1ヘクタールある農地なんてそうそうないです。
小さな田んぼがいくつも段々に連なっている、それが中山間地域の農業です。
実際、ぼくの祖母が持っている田んぼは本当に猫の額くらいの田んぼもあります。歩いて10歩くらいで端まで行ける、そんな田んぼだってあるんです。
圃場整備もしていません。
4.全部やっちゃおう!
平地と中山間地域では条件が違いすぎる、という認識は必要だと考えます。
平地は規模を拡大する方向性もあり得るかもしれない。
中山間地域は規模拡大はあり得ない。それよりは、美味しいお米や野菜を作る、ということに加えて、いわゆる農商工連携や6次産業化の取り組みが必要となると思います。
要は、中山間地域でも「素材」だけを生産・供給していては今後立ち行かなくなるということ。
中山間地域が食糧の生産拠点となり得るのであれば、ただ生産するだけでなく、ちょっと加工しましょう。ちょっとオシャレな雰囲気も取り入れましょう。
それが都市に住む人にとっては魅力的に映るかもしれないから。
それに、本当に美味しければ必ず認めてくれる人があらわれると思うから。
なんてことを考えるんだけど、なかなかうまく伝えられんね。。。