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2011-03-31

情報精査と意思決定

枝野幹事長、原発事故発生直後の1週間は非常に評価が高かったですね。

今はどうなんでしょうか。
個人的には、それほど発表を信頼して聞いていないので今の状態も青天の霹靂というほどではないのですが、それにしても記者会見の言葉のマジックはスゴイと思いました。

幹事長のすべての発言を聞いているわけではないので、憶測になりますが。
おそらく幹事長および政府は「嘘」はひとつも言ってないでしょうね。
数字を改ざんするなどしてもすぐに真実が広まることは容易に想像できるから、そういう古典的手法は取っていないはず。

だから「嘘」はついていないと思います。
もし「嘘」があるとしたら、それはただ単に発言ミスです。

嘘は言わないかわりに、事態の評価(危険性・安全性・避難指示・・・)についてはきわめてボカした言い方になっているはず。
なぜなら、事態が非常にわかりづらいこともあるのでしょうが、「事後」をすでに想定してしゃべっているからだと思います。
言質を取られたくない、できれば軽微な被害であってほしいという願望、いろんな思惑があって明確な発言は避けていると思います。

他方、計画停電に関してはおそらく明言しているんじゃないかな。
なぜなら、計画停電は不平不満は出ても原発事故のような人災として追求されうる要素がないから。せいぜい、対応が悪い、情報が遅い、経済が停滞した。それくらいでしょう。人命に関わる部分が小さいという判断でしょう。そういう低リスクの案件についてはおそらく明言してリーダーシップを発揮している、と演出していると思ってます。

俺らが学んだ会見用語
http://2chcopipe.com/archives/51682295.html

「直ちに健康には影響しない。冷静に対処してほしい」の意味
http://blogs.yahoo.co.jp/yujiaibara/36647171.html

 ここらへんに詳しいです^^

要するに何が言いたいかというと、政府の発表に「嘘」はないということ。
ただし、言葉をそのまま受け取っていると、ひょっとすると「そんな意味で言ったわけではない」なんてことがあり得る。
そうなると、数多い情報の中から自分なりに考え、精査し、自分と家族の振る舞いを自ら決定すべきである、ということです。

政府はたしかに嘘は言ってないから、「うそつき」と責めることはできません。
情報は提供しました、と言われればたしかに提供されています。

島根県には県庁所在地に原発があります。
島根原発に何かあれば、20km圏内に入っている間違いなく県庁は機能しないでしょう。
そうなると対策本部も立ち上げが困難になる可能性があります。
島根県民はもとより近隣の鳥取、広島、岡山の方々もいろんなシミュレーションはしておいてムダはないと思います。

会見の言葉の裏にある「真意」を読み取ることができないと、状況は悪化するばかりかもしれません。