別のところにアップしようかと思ってたけど、まずはブログかな、と思いこちらに記します。
中野剛志氏がフジテレビに出演したことでネット上で比較的話題をさらっています。
中野剛志氏は、TPPに関しては至極まっとうなことを言ってると思ってるんだけど、民放地上波初登場?が鮮烈すぎてさすがだなとしか言えない。
態度云々もあるかもしれないけど、言ってることはわかりやすいと思います。
僕は中野氏の説明と論理に納得しておりますので、TPPに関しては以前から反対だということで書いてます。
- 2011.09.14Styles: TPPねぇ。。。
- 2011.08.24前原さんは支持できません
- 2011.06.21『TPP亡国論』 読了
- 2011.06.03Styles: TPP参加の議論が少なすぎる|TPP亡国論 第1章
以下、長い文章が続きますので、僕のポストを読むより一番下にリンク貼りましたけど、中野氏の動画がありますので、そちらをご覧ください。
わかりやすいことに加えてユーモアもあり、笑っちゃいけないけど笑うしかない状況にあるTPP反対派の状況がよくわかると思います(笑)
中野氏、動画の中で「日本人はバカ」的な発言がありますが、あれは国民がバカと言ってるのではなく、政府がバカだと言ってると理解しています。
国民に関してはむしろ「頭がいい」と知性は評価しているからこそ、政府の政治力のなさとバカさに辟易している、と見えます。
こっかから僕の本編です
デフレが進むよ
自由化で輸入品が安く入ってくるから一般庶民には嬉しいだろ?という議論もあるようですけど、デフレが一層進むだけですからね。
瞬間的には安くなっていいかもしれないけど、国内企業がそれに対抗しようと思ったらコストカットしていくしかないので、結局削りやすい人件費が削られてリストラもろもろが増えることになるのではないかと思います。
その辺、どう考えてるんでしょうか。
途中離脱があり得ないことはわかりきったことでしょ
もう一つ。賛成派が言う、「議論のテーブルにつくくらいいいだろ。日本にとって不利益ならやめればいい」というのも詭弁。
日本の真意がどうであれ、一旦テーブルにつけば、原則途中離脱はあり得ない。それは玄葉氏も言ってましたよね。
ってことは、いったんテーブルにつけば後は、なし崩し的に話を進められてしまいます。
それで本当にいいの?大した考えもなしに、「開国」だとか「グローバル化」だとか一見美しく理想的に見える言葉に踊らされるのがベストなのかと。
年間2700億円(GDPに+0.054%)程度だよ
また、内閣府が最近になって示したTPPに参加した場合の経済効果。
TPPに参加すると、なんと!GDPが!0.54%増!?
金額にして2.7兆円の効果が生まれる!!(ただし、10年間の累計です)
って、1年当たり平均2700億円です。しかも、「10年間の累計」という言葉を一切パネルに表示しないフジテレビに中野氏キレてます。
そりゃ、詐欺的なやり口ですからフェアじゃないし怒るのは当然だと思いますね。
ただ、この内閣府の試算についてはHP見てもソースがどこにあるかわかんないので、引き続き探してみます。(ちなみに、下記リンク先日経新聞にも「10年間」とは一切記載されてません)
国内ルールが変えられたらお手上げだよ
さらに、現代の自由貿易交渉の主題は、関税撤廃だとかそんな話は問題にならない。
まあ、言葉通り問題にならないわけじゃないのは当然として。
何が問題かというと、現代の交渉は相手国の国内ルールをいかに自国に有利に変えさせるかということに移ってるんだ、と指摘します。
実際、米韓FTAでは韓国は大幅にアメリカの要求を呑んだようです。
前にも書いたかもしれませんけど、韓国製品が好調なのは、関税云々以上に、ウォン安が大きいわけですから、米韓FTAでアメリカの関税撤廃された~!!となったところで、大した効果は期待できないでしょう。
しかも、韓国もアメリカなど現地生産に切り替えを進めていて、関税がそもそも適用されない形になってるんだから、韓国は果たして得るものがあったのかは疑問。
中野氏の痛烈な皮肉として、これだけアメリカの言いなりになってくれるんだから、そりゃあオバマもイ・ミョンバク大統領大好きになるでしょ、と。そりゃあ、国賓待遇で出迎えるでしょ、と。
訴訟大国アメリカ怖いよ
さらに、別の動画を見て驚きました。
ISD条項という存在に。
TPPの、ISD条項とは、各国が自国民の安全、健康、福祉、環境を、自分たちの国の基準で決められなくする「治外法権」規定
ISD条項とは何かを簡単に言うと、たとえばアメリカの企業が日本に進出し、地下水を汚染してしまった、とします。
そんなことになれば、当然現場を管轄する市町村等が開発差し止めなどを行います。
すると何が起こるか。
差し止めされたアメリカ企業は、開発差し止めによって生じた損失の賠償を求めて日本政府を訴えます。
この裁判は第三国で行われ、判例も適用されなければ、日本の環境や住民の健康度合いなども一切考慮されず、単純に「企業に対して、利益損失が生じたのかどうか」という経済的尺度でのみ判断されるとのこと。
しかも、判決に不服があっても一審で結審。覆ることはないのです。
こんな馬鹿な話、いくら何でもねーよ(笑)と言いたいところですが、中野氏によると、実際にこんなケースがいくつも発生しており、累計で200件を超えたらしいです。
たとえばカナダでは、ある神経性物質の燃料への使用を禁止していた。同様の規制は、ヨーロッパや米国のほとんどの州にある。ところが、米国のある燃料企業が、この規制で不利益を被ったとして、ISD条項に基づいてカナダ政府を訴えた。そして審査の結果、カナダ政府は敗訴し、巨額の賠償金を支払った上、この規制を撤廃せざるを得なくなった。
また、ある米国の廃棄物処理業者が、カナダで処理をした廃棄物(PCB)を米国国内に輸送してリサイクルする計画を立てたところ、カナダ政府は環境上の理由から米国への廃棄物の輸出を一定期間禁止した。これに対し、米国の廃棄物処理業者はISD条項に従ってカナダ政府を提訴し、カナダ政府は823万ドルの賠償を支払わなければならなくなった。
メキシコでは、地方自治体がある米国企業による有害物質の埋め立て計画の危険性を考慮して、その許可を取り消した。すると、この米国企業はメキシコ政府を訴え、1670万ドルの賠償金を獲得することに成功したのである。
あり得ないでしょ。
そして、これも中野氏によれば、このISD条項、日本側がTPPに盛り込むよう検討しているとか。
理由は簡単です。
上で示したケースと逆の場合、日本企業を守れるから。
わからんではないですね。
でもね、TPPの主要相手国はあの訴訟大国アメリカですよ。訴訟に長けているアメリカを向こうに回してやりあえると思ってんですかね。
彼の国は、マイケル・ジャクソンしかりレディ・ガガしかり、金持ちにわけのわからない訴訟ふっかけて大金ふんだくろうとする文化?があるのに、バカ正直な日本人では太刀打ちできないでしょう。
こういう懸念は「負け犬的発想」なんでしょうか。。。
さらに、このISD条項については米韓FTAにおいて韓国が丸呑みしたそうです。
この影響がどう出てくるかはFTA発効後にならないとわかりませんけど、うーん……。
以下、中野氏による非常にわかりやすい、論理的なTPPのダメなところ解説です。
ある意味エンターテイナーです。