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2011-07-09

島根県の「新しい公共」|隠岐ジオパーク戦略会議の提案 vol.2



前回の続きで、新しい公共の具体的な提案内容についてご紹介します。

まず、今回のプロジェクトの中核となる組織の立ち上げです。


1.隠岐ジオパークガイド協会設立


隠岐ジオパークは現在、「隠岐ジオパーク推進協議会」という組織を中心として世界ジオパークネットワーク(GGN)登録に向けて動いています。
しかし、隠岐ジオパークの運営を担う中核的組織はやはり必要です。
それも、フットワークが軽く比較的意思決定を円滑に行え、何かあれば即対応できる組織が。

そのための組織として、「隠岐ジオパークガイド協会」をまず設立します。
  • 2011年度中 協会設立準備
  • 2012年4月 協会設立(任意団体として)
  • 2013年4月 NPO法人格取得

大まかなスケジュール感はこのようなイメージです。
細々と検討しなければならないことはたくさんありますが^^;


2.認定ガイド制度

隠岐ジオパークではおよそ7年前から「風待ち海道エコツーリズム大学」という名前でいわゆる地元学講座を毎年開催してきました。

その成果として、隠岐のエコツアーできちんと対価をいただいてガイドをされる方も出始めています。これはとても大きな成果の一つだと言えるでしょう。

その一方で、ボランティアガイドとして活躍されている方もいらっしゃいます。

このような状況になると、対価をもらって案内するガイドにはそれ相応のスキルが求められます。
対価をもらうということはプロフェッショナルであれ、ということですから。

ということで、ガイドの認定制度を導入します。
ただ、これはいろいろと乗り越えなければならないハードルがあるような気がしています。


3.ガイド協会の収入基盤

ガイド協会が存続していくためには、何か収入基盤が必要となります。

この部分は、僕が紹介するよりも地元の方に紹介してもらった方が共感しやすいと思いますが・・・。

収入源として考えているのは、

  1. ガイド紹介業務
  2. ファンドレイジング文化の醸成
  3. ソーシャル・アプリの開発と販売
  4. ジオグッズの開発と販売

です。

個人的には、これらを進めていく上で欠くべからざる要素が、「共感の環を広げる」ということにある、と強く確信しています。
これは昨年、島根県で開催されたNPO活動推進大会で日本ファンドレイジング協会の鵜尾さんが講演の中で仰ったことで、とても強く心に残ったフレーズです。

鵜尾さんのブログはこちら→ファンドレイジング道場


3-1 ファンドレイジングの取り組み

今回の提案の肝です。
隠岐で取り組みをはじめてほしい!と、ずーーーっと思ってきたことです。
寄付文化を育みましょう、ということなんですが、単にお金をもらいましょう、ということで提案してはいません。

寄付してくださいと言われて「はい」と応じる人はそうはいません。
では、どうすれば寄付してもいいと思えるか。
それは、隠岐がやりたいこと、達成したいこと、実現したい将来像に共感し、「ぜひそうなってほしい」と思えたとき、はじめて行動に移るのでしょう。

また、そう思っても実行に移せない人もいると思います。
それでもいいんです。わかってくれさえすれば。
その人がもしかしたら5年後10年後には何か自分なりの行動を起こせるかもしれません。
その時、隠岐が変わらず理想を追いかけていることがわかってれば、きっと思いは繋がります。

そういう共感の環を広げる、という意味でのファンドレイジングの取り組みを提案しました。
ただ、できることはすればいい、と思うので例えば主要施設では、隠岐の生物多様性やその保全の活動を紹介するパネル展示とともに、募金箱等を置いておくといったことはできると思います。


3-2 ソーシャル・アプリの開発・販売

スマートフォンの普及も進んできました。
そこで、スマートフォン向けのアプリケーションを開発・販売をしたいと考えています。

まずは隠岐の神社図鑑のようなアプリを考えています。
隠岐には150社以上の神社があり、それらの謂れや主祭神などはデータベースになっているので、それをわかりやすく、楽しく伝えるアプリとして開発したいところです。

問題は、OSをどうするか。
個人的にはiPhone使ってるのでiOSがいいな~とは思いますが、Androidなども当然検討しなければなりませんので、これは要協議です。

想定している購入していただけそうな方は、隠岐を好きな方、隠岐を訪れたことがある方、神社マニアな方、新しもの好きな方など。

島内では、できればiPadのようなタブレット機にダウンロードしておき、ガイドさんが使ってくれると、例えばその日見られない祭りの様子などを動画で紹介できるので、次は祭りを見に来てくださいね、という振り方もできるんじゃないかな~と思ってます。
これはガイドさんと要相談です。


3-3 ソーシャル・メディアの活用

最後は、情報発信です。
とにかくここは弱いです。。
自分もノウハウがあるわけじゃないので、シンドいところではありますが、やらなきゃしょうがないです。(ノウハウがあれば、このブログももっと伸ばせるはず……^^;

ということで、対外的・公式的な発信はCanpanブログなどを使い、日常的な更新なんかはTwitterやFacebookを活用してもらい、さらにオフィシャルサイトでそれらへのリンクを飛ばす、という形かな。
あと、開発したアプリの紹介は至る所で紹介、リンクを貼って誘導。

そんなことを考えています。


おわりに

以上が今回提案した内容をざっくりと紹介したものです。
実際、言葉足らずな部分もありますし、紹介していないプロジェクトもあります。

ここまで出してよかったのか?と思いもしますが、そもそも審査会が公開されてたものだし、許可ももらっているからいっか~と^^

今回の提案書作成とプレゼンテーションを通じて感じたことは、今回の「新しい公共」への期待の高さです。
それは県もそうですし、審査員の方もそうだろうと思いますが、なにより期待しているのは僕自身。

これまで、こうすればいいんじゃないか、ああすればいいんじゃないか、そんなことがモヤモヤしていましたが、この「新しい公共」という枠組みでは非常にしっくりとまとまった気がしています。

もちろん、やや強引な部分はありますし、見込みが甘いあるいは厳しいところもありますが、隠岐に対しても僕の考えは伝わったし、同じ方向を向いていけると思います。

あとは、提案した以上の成果をぜひ出したいところですが、まあソフト系事業は成果が非常に出しにくい。。。と始まる前から言い訳じみたことを^^;

でもね、僕は今回のこのプロジェクト、いけると思いますよ。本気で。
僕ができることはやり切るつもりです。いろいろとハードルはありますが……。

もしこの長いブログを読んで興味持たれた方、アドバイスある方いらっしゃればコメントでもFacebookでもいいのでご指摘ください。
決定権はありませんが、個々の提案には反映できるように思います。。


参考