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2011-07-26

『イシューからはじめよ』 読了



イシューとは何か

本書はそのタイトルにもあるように、一貫して“イシュー”が核となるワードとして繰り返し登場します。

これは、要するに「本当に解決すべき問題」であると言い換えることができます。
そして、このイシューを、まず見極めることこそ、生産性を高くする第一歩であり、すべてである、ということです。


よいイシューの条件

この「本当に解決すべき」という表現が肝で、よいイシューの条件として次の3つをあげています。

  1. 本質的な選択肢である
  2. 深い仮説がある
  3. 答えを出せる
この中で、1についてはロジカル・シンキングなどでもよく指摘されることだと思います。

そして、2は、今書きながら考えていましたが、今年来年と取り組むことになるプロジェクトの研修会で、「仮説の重要性」が繰り返し指摘されたことを思い出したので、よく考える必要があります。

最後の3番目。意外に重要です。
現実的にアクションにつなげることができる回答を出せるか、ということは特にビジネス分野では重要でしょう。
逆に言えば、問題であることはわかりきっているが現状では手のつけようのない問題は、よいイシューとは言えないのです。
そして、そんなイシューにかかずらうことは何も生産しない時間を生み出す徒労に終わる、というわけです。


思考のパートナーにどうぞ

個人的には生産性を追求したり、効率のみを追い求める考え方には賛同しかねるけど、こういう指摘の重要性もまたよくわかります。

好きではないけど、一方で生産性を高めなきゃならんところが難しい。


この本は一回読んでおしまい、という類のものではなく、何度も何度も繰り返し読みなおすことになりそうです。
コンサルという仕事をしている限り、また企画から実施まで携わる限り、有用な本としてパートナーとしていつもそばに置いておきたい本です。