ページ

2012-02-29

県議会を傍聴してUstreamの活用について考えてみた


2月28日、例年であれば2月末日の今日。
人生ではじめての議会傍聴に行って来ました。

行ったのは、島根県議会本会議で11時からの岩田県議の質問について。

はじめての経験でしたので、なかなか興味深く拝聴しました。


質問内容

岩田県議は、大きくは4つの分野について質問されてました。
  1. 原発関連対策
  2. 神話博しまねを中心とした観光振興
  3. 教育分野(とくに高校生のキャリア教育)
  4. 県の林業政策

項目数で言えば観光振興についてがもっとも多かったですね。

なるほどなーと思うものもあれば、個人的には「どうなの?」と思うものもあったりして面白かったです。

ただ、議論にならない点が物足りなさを感じさせます。

議員の質問→回答者(知事や部長級)の回答→終了

というサイクルなので、ちょっとつまんない。
せめて、回答の後にもう一度議員の質問を挟めば、もう少し議会も活性化するんじゃないの?とか思っちゃった。

あと、個人的に「県もなかなかやるな!」と思ったのは、松江駅トイレに紙をフツーに設置することについて、JRと話をしたいと回答したこと。
で、この点については今日の質問聞かなければ、見過ごしてたなぁと少し反省も。

「神話博しまね」ということで、県外からわざわざ楽しみに来ていただいたお客さんが、松江駅で降り、市内へと繰り出す直前。
「一応、トイレ行っておこうか」と、松江駅トイレにはいる。
すると、トイレにはトイレットペーパーがない!?なんと、紙は外で買わないとならなかった……。

こんな悲惨な出だしだとしたら、僕ならその町への印象は一度最低ランクまで落ちますね。
実際、昨年大阪でまったく同じ経験をしましたから。幸い、ポケットティッシュがあったから良かったものの、なければ「あ~!!さいあく!」と心の中で叫んでいたこと請け合い。

これは本当に何とかしてほしい。


Ustreamについて

岩田県議は観光振興の質問の中でUstreamの活用について県の考えを聞いてました。
それからもわかるように、Ustreamは新しい情報発信ツールとして大きな期待が寄せられています。

ただ、僕はこの点については実は懐疑的に見てます。

もちろん、これは僕の中でUstreamに関するバラ色なビジョンが描けてないだけで、メディア側にいたことがある岩田県議だから見えてるビジョンがあるのかもしれませんが。

なぜ懐疑的に見ているのか。

それは、「ターゲット」の問題とメディアとしての「ブランディング」にあります。


ターゲット

それではまずターゲットの話から。

今Ustreamに寄せられている期待は、地方でもアマチュアでも誰でも「世界に向けて動画配信がタダで出来る」ということだと認識しています。
ここが僕の中で違ってくるんですね。
次の「ブランディング」にも関係しますが、地方のアマチュアが流している動画によって観光客に「行ってみよう」と思わせる力はない、と考えます。

要するにターゲッティングが間違ってると思います。

むしろ、ソーシャルメディアの1つとして位置づけられているように、ある程度“つながり”のある者同士での盛り上がりを創りだしたり、一度はその地方を訪れたことがある人たちをコミュニティとしてくくった後に、地元とオンライン上のコミュニティとを結びつける、交流するツールとして有効なんだろうと思います。

隠岐ジオパーク戦略会議で提案しているのは、後者の使い方。


ブランディング

次にブランディングですが、「地方のアマチュア」が流す番組でも、かなり閲覧されてるじゃないか、という話はあると思います。
岩田県議が示した事例でも「うんなんシティTV」さんだと5000くらい行ったらしい。


いや、これはすごいですよ。
でも、この場合「アマチュア」というより「セミプロ」ではないのかな?と思ったりします。

何が言いたいかというと、本物の素人アマチュアだけでは、番組としての面白さや構成を組み立てることは難しいということです。

動画配信という、これまでマスコミが囲い込んできたパワーを手にしたことで、その可能性には心躍りますが、活用できる力がまだないのではないか、と。

見てても、内輪ネタに走る番組が多いのはその最たる例かと思います。視聴者を置いていくんですよね。
それでもって「世界へ向けた発信」とは言えないと思うんですよ。



プロボノの活用

ファンドレイジングの関係でかなり聞いた言葉「プロボノ」。
Ustreamで全方位的に発信したい地域、団体はプロボノの活用を検討するといいかもしれないですね。
いろいろなプロフェッショナルに、ボランティアで専門スキルを提供してもらう、というものです。

なので、番組制作経験者や構成作家さんなどをプロボノとして、団体が伝えたい事をうまく構成・演出してもらい、出演は当事者で、生の声で発信する。
進行管理はプロボノに任せる、といったようなことができれば、魅力ある番組にできるんじゃないかなぁ。

その辺が、岩田県議の中でどう整理されているんだろうな、とは思う。
そもそもマスコミの中にいた方なので、自然と番組作りのビジョンが描かれているのかもしれないですね。

個人的には、やはり当面はゆるいネットワークの中の交流、という割り切った位置づけがいいのかなぁと思ってます。
来てくれた方、関心を持ってくれている方を大事にする、という意味でも、流す情報の室を見定めるという意味でも欲ばり過ぎるとわけわかんなくなっちゃいますので。
欲ばり過ぎるという点は自戒も込めて。。。