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2011-06-28

『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』読了


もしドラの大ヒットでドラッカーやマーケティングについて書かれた書籍が大量に店頭に並んでいるわけですが、あまりにも多くて食傷気味。

そんな中、なんとも変わった表紙にタイトルの本がありました。
それが『新人OL、つぶれかけの会社をまかされる』です。

よく考えたら、タイトルも表紙ももしドラの二番煎じと言えるかも……。


舞台はイタリアン・レストラン

登場人物は非常に限られていて人物関係は捉えやすい、非常に読みやすい物語です。

旅行代理店を辞めた新人OLが主人公。
上司と2人、傾きかけたイタリアン・レストランの再建を企画する、というストーリーです。

そこには、ホールマネージャーの協力と、厨房スタッフとの対立もあり、
すいすいと読ませてくれます。

さらに、主人公の親戚というポジションで経営コンサルが登場し、彼がいろいろとヒントを
提供して、物語は進んでいきます……。


マーケティングとは

「マーケティング」というと何か大層な理論がある、と思ってしまいますね。
たしかに、ファイブ・フォースや3C、4Pなどなど考えるためのフレームワークは
たくさん開発されているし、それなりに理論もあるかと思います。

しかし本書ではマーケティングをきわめて単純に記しています。

マーケティング理論なんて単純で、お客様が『どの店に行くか』を決めるプロセスを考えること

そのために、現場を知ることの重要性、コンセプトの重要性が指摘されていきます。

この辺の話は、何も外食産業だけに言えることではなく、すべての事業、プロジェクトにおいて
重要な考え方であろうと思いますね。

僕のようなコンサルでも、どうすればお客さんは自分を選んでくれるのか、
どうすればまた声をかけてくれるのか、を考えること自体がマーケティングの一つです。

それは別の言い方をすればセルフブランディングとも言えるかもしれませんね。


おわりに

物語は、結局ホールと厨房がそれぞれ再建企画案を提示して、最終的にホール案が
勝つわけですが、プレゼンの様子なんかもある意味参考になるかもしれません。

プレゼンの場は原稿を読む場ではなく、価値観を共有しあうことを目的とする場なのです。

そのためには楽しみを提供したり、明るさを演出したり……。


それほど期待して買ったわけじゃないんですが意外にアリだと思います。